ハヤカワ新書<br> ネット怪談の民俗学

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ハヤカワ新書
ネット怪談の民俗学

  • 著者名:廣田龍平【著】
  • 価格 ¥1,276(本体¥1,160)
  • 早川書房(2024/10発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/27)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784153400337

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内容説明

空前のホラーブーム、その源流がここにある。
ネット怪談はどのように発生し、伝播するのか。きさらぎ駅、くねくね、リミナルスペース……ネット民たちを震え上がらせた怪異の数々を「共同構築」「異界」「オステンション(やってみた)」など民俗学の概念から精緻に分析、「恐怖」の最新形を明らかにする

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

186
インターネットに現れた数々の怪談は、新しいメディアだけに生まれた経緯や成長プロセスが把握しやすい。そんなネット怪談を民俗学の専門家が分析すると、人はなぜ恐怖を求め怪談を作っていくのかが見えてくる。科学の恩恵あればこそのネットやスマホ内で得体の知れない話題が語られ、科学では説明がつかないからこそ人は魅せられ面白がるのだ。そんな面白がる人が勝手に集まって、様々な怪談を共同構築していく。AI技術の進歩が加わると、今後は人を介さず自律的に発展する可能性が出てくる。それこそどんな創作より恐ろしい事実かもしれないが。2025/04/18

kinkin

124
ネット怪談を民俗学的に考察する本。民俗学がいまだにどのような学問であるかを理解していない。民俗学というのは間口がとても広い学問と聞いたことがある。民俗学の中でも新しい分野なのだろう。読んでいて感じたのは出てくる怪談話についてほとんど知らない著者はネットに載っている話について、いろいろと解説されている。なるほどそんな話なのかを知ることが出来た。しかし民俗学的な研究なら、ネット内の怪談について話に出てくる何とか村を探したりや、噂についてのネット民とのやりとりなどの、攻めの検証があってもよかったと思った。 2024/11/17

☆よいこ

94
分類388。ネット怪談について、その黎明期から現代までを年代順に分類収集した論文。とても分かりやすい▽[第1章:ネット怪談と民俗学]きさらぎ駅/スレンダーマン/平成令和怪談略史[第2章:共同構築の過程を追う]2ちゃんねる[第3章:異世界に行く方法]現実感のありか[第4章:ネット怪談の生態系]怪談サイト/海外の状況/ネット老人会[第5章:目で見る恐怖]画像怪談と動画配信/クリックベイト/逆光的オステンション[第6章:アナログとAI]バックルーム▽参考文献、怪談索引あり。良アーカイブ。2024年発行2025/06/06

yukaring

92
「きさらぎ駅」や「くねくね」などネット上の不特定多数により構築されていく怪談や画像から生まれ広がった「スレンダーマン」など怪談がどのように確立され、拡散していくのかなどが学問として取り上げられているのが興味深い。2ちゃんねるを使った「異世界へ迷い込んだ系」の実況型怪談の誕生や別のスレへ連鎖していく連鎖型怪談、狭い土地に伝わる因習系怪談の進化など、分類と系譜が実際の怪談を紹介しながら語られるのも面白い。「コトリバコ」や「ひとりかくれんぼ」「ヒサルキ」なと知らない怪談も多数語られていてとても楽しめた。2025/02/22

へくとぱすかる

92
ところで、「きさらぎ駅」に行きたいですか? うーむ、興味はあるけど、やっぱり怖い! 流行のネット怪談が、時代をかなりさかのぼる噂話や伝承の延長上にあることを教えてくれる。もちろんネットの特性が具体的な情報のかたちや伝わり方に反映して、現代的な変化をもたらしているのは当然のことだろう。「怪談」としてではなく、コミュニケーション論として考えれば、このセカイのあり方が一望できるような気がする。そしてそこには相も変わらずに繰り返される、人間のいつもの指向が、形を変えながら、しかも大規模に発展しているわけである。2024/11/28

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