内容説明
人生は簡単じゃない。でも、後悔できるのは、自分で決断した人だけだ。
古書店で開かれる深夜の読書会で、男女6名の運命が動きだす。
直木賞(2024年上半期)候補、最注目作家が贈る「読書へのラブレター」!
一冊の本が、人生を変える勇気をくれた。珠玉の連作短編集!
【目次】
真昼の子
いちばんやさしいけもの
隠花
雪、解けず
トランスルーセント
夜更けより静かな場所
【あらすじ】
大学三年生の吉乃は夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた。「何か、私に合う一冊を」吉乃のリクエストに伯父は、愛と人生を描いた長編海外小説を薦める。あまりの分厚さに気乗りしない吉乃だったが、試しに読み始めると、抱えている「悩み」に通じるものを感じ、ページをめくる手が止まらず、寝食も忘れて物語に没頭する。そして読了後、「誰かにこの想いを語りたい」と、古書店で深夜に開かれた、不思議な読書会に参加するのだった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
501
「深海」という名の古書店を舞台に、店長始め5名の常連客のそれぞれの物語を綴る6編の連作短編集。短編毎に深夜開催される読書会に6名が集う。読書会を通じて最初は見ず知らずだったそれぞれにやがて生まれる、読書を介した絆。最終話は店長主役で彼の過去が明らかになる。何故彼は只の客に過ぎなかったのに先代の店主から「深海」を受け継ぐ事になったのか。何故彼は突然、店を閉める事にしたのか。そして最後の読書会で選ばれた1冊の本は。コミュ障の俺は読書会に参加する事は出来ないけど、1人で本を読むよ。読メにレビューを書き続けるよ。2025/03/07
ムーミン
410
「本の読み方は人の数だけある。だから読書会は面白い。もしかしたら、わたしたちは常に家族や友人や職場の人と、読書会をしているのかもしれない。課題図書は、おのおのの人生だ。」p337「誰もが、選択と偶然の連続を生きている」p3432025/04/22
名古屋ケムンパス
376
この著作に、そしてこの作者に出合えたことにしみじみと喜びを感じる読書になりました。日当たりの好くない寂れた風情の古書店〈深海〉で深夜0時の読書会が催されます。店主が集めた5人の参加者は、何れも蟠りを抱えながらも何とか生を繋いでいたのです。課題図書と向き合うことは、自らの人生を見つめ直すことでした。そんな読書会と古書店が突然閉じられてしまいます。思い寄らずこの店主が遺した自伝が再び課題図書となりました。失踪者だった彼が蟠りを乗り越えて生きたことの証しが〈深海〉であったことがしっとりと綴られていたのです。2024/12/05
nyanco
356
しんと静か、というのが第一印象の一冊。大学生3年の芳乃、叔父・茂が営む古書店を訪れる。深夜まで営業する古書店「深海」埃の匂い、パラフィン紙のカバー 「深海」のひっそりとした佇まいが伝わってくる。叔父から勧められた「真昼の子」を読み、誰かと本を共感したいと言ったことで深海での6人の読書会が始まる。茂、芳乃、大学生・真島、司書の安井、アルバイトの国分、中澤の6名が選んだ本で読書会が続いていく。それぞれが抱えている悩みとそして読書会での語り合い、情景描写、人物描写どちらも巧みでぐいぐいと引き込まれました。→続 2026/01/20
大阪のきんちゃん2
288
古書店での読書会に集まる人々のそれぞれの人生。 イイですね、読後感も悪くなかったデス。 本の題名とはあまり結びつきませんでしたけれども… 始めはまたぞろ不倫からで気分が悪かったですが、自分でキッチリとけじめをつけて前を向こうとしているようなので、まあ良しとしましょう。 登場人物の年齢性別境遇もバラバラ、きっかけを掴んで若い人たちは前を向いていって欲しいと思います。 古書店主の人生はどうなのでしょう?何かを残したとしても、何かちょっとずるい(自己満足?)ような気もしたのですが如何?2025/12/24




