内容説明
ライターの藤崎俊一はある男を追っていた。その男――怪談売りは、どこからともなく現れては『怪談あります』というのぼりを立て、路上販売の格好をしているという。古本の形をした商品は、怪談そのもの。買えばそこに書かれた怪異に見舞われ、売れば見舞われなくなるので、様々な事情を抱えた者たちが夜な夜な彼のもとを訪れる。彼はいったい何者なのか、その目的とは――。人間の闇と欲望に切り込む、一話完結の人間ドラマ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨
24
読みやすかった。 不思議なイケメンの怪談売りさんに逢いたい(笑)2024/11/09
キナコ
15
表紙買いした一冊。ライトホラーノベル。怪談を売り買いする謎の人物をおう主人公。追っていくなかで見聞きする怪談売りの話。ヒトコワ系もあり。しかし文章は柔らかく、どうも憎めない怪談売りとライターとの関係性が良かった。一話完結ものでもあるので、ホラーが苦手な人にもオススメ。2024/11/09
かず
5
連作短編ということもあり、非常に読みやすかった。 また、内容としても比較的マイルドなものばかりで、ホラーに慣れていない人でも楽しめるのではないかな? 妖怪などの怪異は存在しているけど、どちらかというと都市伝説に関する物語という印象。 めちゃくちゃ怖くて背筋が凍る、というよりも心温まるような物語だったのも改めてホラーが苦手な人にもおすすめできるポイントだと思う。 ただ、自分がホラー体験をしたいとは思わないから、実際に怪談売りに会っても本を買うことはないだろうな。2024/10/30
ゆん
3
「怪談あり〼」という旗を立て怪談を売買する不思議な怪談売りとそれを追うライターのお話。 色々な事情を抱えた人々にその人にぴったりの怪談を売る怪談売り。怖い系の話だけでなくほっこりするお話も入っており、ボリュームたっぷりでした。 4話で明らかになった怪談売りの過去が切なかった。2024/11/05
nana
3
この小説はシリーズ化されるのかしら? 怪談売りの正体が全くわからないから。最後ちょっとわかることがあるけど消化不良。「第四章 文車妖妃の書」がいちばん好み。藤崎は、「再生の栞」を求め、祠に迷い込み斐文に出会う。斐文の読んでいた『文庫妖妃』という怪談を私も読みたくなった。ただおどろおどろしいだけでなく、悲しみに満ちたお話が大好きなのだ。この小説もそうだけど。私自身は子供のころこわいお話は大好きだった。でもなぜか歳をとるごとに敬遠するように。蒼月さんのこの短編集は美しいのでちょっと響いてしまったよ。 2024/11/17