内容説明
「日本国憲法は世界史からの贈物,最高の傑作」と語る井上ひさし.常に憲法を軸に社会を見つめ,小説,戯曲,エッセイなどの作品を書き続けました.本書には,憲法の成り立ち,三原則,九条の精神などについて分かりやすく説いたエッセイ,講演録を収録.「日本国憲法って何だろう?」その答えがここにあります.解説=小森陽一
目次
第一部 憲法と生きて
第一章 憲法を読む
憲法を生きて――破られた戦力放棄と議会民主主義
読物としての新憲法
私家版憲法読本
これからだ 日本国憲法を読もう
エッセイの題材
いちばん偉いのはどれか
憲法の三原理
第二章 九条を語る
軍隊は国民を守ってくれない
世界の真実と中村哲さんのこと
あんな時代に戻りたいのか
絶対平和とはなにか
自分にとって大切な友を,けっして裏切ってはならない
第二部 二つの憲法――大日本帝国憲法と日本国憲法
はじめに
1 憲法の誕生
2 大日本帝国憲法ができるまで
3 戦争から敗戦まで
4 日本国憲法ができるまで
井上ひさし 憲法関連ブックガイド
解 説……………小森陽一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイス
42
9条は絶対に守らねば、という著者の願いがひしひしと伝わってくる。改憲論者たちの主張、例えば「アメリカに押し付けられた」との論に対し、反証を重ねる。世界史的意義をもつ戦争放棄の宣言は、いまや日本が国際社会において拠って立つことのできる数少ないアピールポイントではないか。有名無実化?日本は戦後、武力でただの一人も殺していない。この憲法は世界史からの贈り物であり最高傑作だと述べる著者の叫びは、きわめて正論だと思う。しかし今回の選挙でも争点とされないまま、なし崩し的に骨抜き化が進む今の世の中に空恐ろしさを覚える。2021/10/31
いのふみ
3
読んでいる最中ふと、憲法は70年ほどもずっと改悪の危機に晒されてきたことに思い至った。だから、いつの時代も井上さんにはいてほしいし、何度でも蘇ってほしいと思った。2023/07/21
NOZOMI
2
国民が自分たちの権利の確保や伸張のために武器を持って国と戦ったという経験のすくないわたしたち日本人にはたしかにぴんとこない考え方かもしれないが、さまざまな「憲法」の成立時の事情を見れば、すべての憲法が例外なく君主と市民との抗争の末の産物、いわば休戦条約であり、底に国と国民との間断なき睨み合いを隠していることはあきらかだ。(P.5)2025/09/30
O-chami
2
昨日の憲法記念日に読み終わらす積りでいたのですが、やっと先ほど読了。 没後12年を経ても、過去の講演やエッセイを纏めて、新刊が続々編集されているのが凄いよね😅 憲法の事だって・・・ 「むずかしいことを やさしく やさしいことを ふかく ふかいことを おもしろく おもしろいことを まじめに まじめなことを ゆかいに そして ゆかいなことは あくまでも ゆかいに」 ・・・話してくれています。 BGMはフォーククルセダースの「何のために」🎶~ザ・タイガースの「忘れかけた子守唄」🎶2022/05/04
peco
2
他国の有事に国民の不安を煽り、なし崩しに戦争ができる国にしていこうとしている。こんな時こそ居て欲しかった。九条の会の発起人の方々もどんどん鬼籍に入られて声なき声を束ねてくれる存在がいなくなり不安で仕方ない。私たちが日々の生活に汲々としている間になし崩しに殺人者にされてしまわないか。後戻りできない堀が埋められていってる気がしてならない。学んで知識を得て、ムードに流されず自分の判断ができる人でありたい。争いごとを解決するのに人殺しはしない、こんなシンプルなことがいつまでたってもできないのは何故。2022/06/08




