創元推理文庫<br> みすてりい

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創元推理文庫
みすてりい

  • 著者名:城昌幸【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 東京創元社(2024/10発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488499129

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内容説明

終電間近の駅で目撃した空中遊行術の奇蹟。退屈病患者がある夜出会った猟奇商人の奇妙な提案。果知れぬ曠野を埋め尽くす赤ン坊の群れ。高い高い絶壁の上から見下ろす異形の怪物。自分の生涯を完璧に計画した男の最後のたくらみ。江戸川乱歩が「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と評した異才、城昌幸の珠玉の傑作を集めた自選集『みすてりい』全篇を完全収録。秘密結社に追われる男たちの運命を描いたデビュー作「脱走人に絡る話」とその続篇「仮面舞踏会」、城左門名義の散文詩的作品等を増補した。/【目次】1 みすてりい/艶隠者/その夜/ママゴト/古い長持/根の無い話/波の音/猟銃/その家/道化役/スタイリスト/幻想唐艸/絶壁/花結び/猟奇商人/白い糸杉/殺人婬楽/その暴風雨(あらし)/怪奇製造人/都会の神秘/夜の街/死人の手紙/模型/老衰/人花/不思議/ヂャマイカ氏の実験/不可知論/中有の世界/跋=江戸川乱歩/あとがき/2 補遺・その他の短篇/根の無い話 B・C/幻想唐艸 第三話 思い出/脱走人に絡る話/仮面舞踏会/譚(ものがたり)/五月闇/たぶれっと/解説=長山靖生/初出一覧・編集後記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

32
『みすてりい』と題されてるけど幻想や怪奇を書いた掌編集。星新一のショート・ショートで育った身としては、オチのないフワッとした話に慣れず、どう読んだら良いんだろうと思ってしまうこともあった。『スタイリスト』愛護御自分のスタイルを貫き通す男の幻想が美しく浮かぶ。『猟銃』主人公の様子が現代のネットで勝手にボルテージ上げる人を見ているよう。『絶壁』宗教における神と人の立場を寓意的に描いたように読める不思議な感覚。『模型』夢想はそれ自体が楽しみであって現実になった途端に色あせるのが共感できちゃう。2025/01/02

Kotaro Nagai

9
大正14年から昭和36年までの35編を収録の短編集。桃源社の同名短編集(昭和38年)を完全収録し、7編を補遺・追加したもの。短編というより長くて10ページ程度のショート・ショート作品で、推理ものよりむしろアバンギャルドな幻想作品といった感じ。「人花」(昭和7年)は別のアンソロジーで既読。「波の音」(昭和30年)や「花結び」(昭和25年)といった作品が気に入りました。一方でよくわからない作品もあった。乱歩の跋文が著者の人となりをよく伝えていてさすが。2024/11/19

Inzaghico (Etsuko Oshita)

7
「みすてりい」と銘打ってはいるが、人智を超えた幻想的な話が多数で、乱歩の言葉を借りれば「奇妙な味」か。すとんと落とされて置いてきぼりにされたり、宙ぶらりんのまま(と思っているのはわたしだけかも)終わってしまったり。すべてに明快な答えや終わりがないのも、意外とよい。 「その夜」の時代を超越した闖入者の正体を明らかにされて思わずぽかんとし、「スタイリスト」で偲ばれる個人の強烈な自意識と自尊心に畏怖の念を抱き、「猟奇商人」の最後に虚を突かれてその後大笑いした。2024/11/06

sugsyu

2
表題に反して、ミステリーよりは怪奇、奇想小説に近い。あるいはチェスタトン風?論理の徹底が却って異界に通じる。ベストはある奇人の墓を巡る「スタイリスト」か。死後なお己の美学に他人を巻きこむ妄執に感嘆と恐怖が同時に湧き上がる。2024/11/29

花嵐

2
★★★☆☆ 掌編集。さすがに元が古い作品なだけに全体的な古めかしさは否めないが、それでも情景を想像できるような叙情的な文章は何故か心に染み入る。タイトルにある「みすてりい」は、推理物というよりは怪奇とか幻想とかの方が合ってるので、そこらへんを期待するとちょっと拍子抜けするかも。気に入ったのは「その夜」「古い長持」「スタイリスト」「不可知論」かな。2024/11/02

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