内容説明
島田雅彦氏絶賛! 「19世紀から連動する世界史の表と裏が透けて見える必読の教科書完結版」
■19世紀、20世紀に続く、マルクス研究の第一人者による現代世界史講義。何が歴史を動かし、過去と現在がどのような連関を持つのかがわかる
■東西冷戦崩壊からリーマン恐慌、コロナパンデミック、そしてウクライナ・中東の戦争に至るロジックをつかめる
■主流派歴史学、地政学、歴史決定論を超えて、マスメディアが伝えない現代史のリアルを描く
マルクス研究の第一人者・的場昭弘によるソ連崩壊からリーマンショック、コロナパンデミック、ウクライナ・ガザ戦争へと到るグローバリズム破綻の21世紀現代史。
19世紀に誕生した世界史は、20世紀に西欧型資本主義の支配によって確立したかに見えた。しかし、それは西欧自らが生み出したグローバリズムの必然によって崩壊へと到る――。
補遺「世界史の危機としてのウクライナ・ガザ戦争」で現在の危機を詳述。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
48
ほぼ東西冷戦の終結から現在までを扱った世界史の内容となっている。大きな流れからいうと、東西冷戦の終結⇒社会主義陣営の崩壊⇒資本主義特にG7を中核とした世界秩序の形成⇒リーマンショックによるG7特にアメリカの弱体化⇒BRICSによる世界秩序の多極化という経路をたどって現在に続いている。そこにさらに国家を超える企業のグローバル化、イスラム原理主義的な運動と難民の流出及びヨーロッパへの流入、コロナ・パンデミック、気候変動危機、シンギュラリティ問題等が加わって、様相はより混沌としてきている。2025/03/03
よっち
30
東西冷戦崩壊からリーマン恐慌、コロナパンデミック、そしてウクライナ・中東の戦争に至るロジックを解説する現代世界史講義。東西ドイツを巡る様々な思惑とヨーロッパ連合、新自由主義とバブル時代、金融資本主義とリーマン恐慌。赤字国債と国家主義の台頭、BRICSの台頭、アメリカ一興主義の危機と、コロナパンデミック、世界史の危機としてのウクライナ・ガザ戦争。日本の失われた30年をドイツと対比して論じていたのは興味深かったですけど、今はアジアやアフリカといった非西欧世界にとってもターニングポイントなのかもしれないですね。2024/10/04
のっち
1
現代史に絞った世界史の本です。補講部分のウクライナに関する過去の歴史に関する記述は他ではあまり見かけてことがなく、参考になりました。 元を辿ると、オイルショック後に市場の飽和に向き合った欧州が市場を広げるために非西洋やアジアなど当時は未開と目された地に市場を拡大することで支配・被支配の形態を作ったが、それにより成長で覇権を失うことはなんと皮肉ではないだろうか。また、新自由主義の伸長は偶然の社会主義の崩壊と重なったと記述している点も面白い。近現代は社会地位の固定化により格差を固定化している所に問題がある。2025/08/21