内容説明
灯台をゆけば日本の〈歴史〉と〈文化〉が浮かび上がる!
海と共に日本人の心に残る原風景の一つ灯台。現在、日本に約3,300基ある灯台は、船の安全を守るための航路標識としての役割を果たすのみならず、明治以降の日本の近代化を見守り続けてきた象徴的な存在でもありました。
建築技術、歴史、そして人との関わりはまさに文化遺産と言えるもの。灯台が今なお美しく残る場所には、その土地ならではの歴史と文化が息づいています。そんな知的発見に満ちた灯台を現代日本文学を代表する作家たちが訪ね、歴史的・文化的・地域的な価値を文学的な視点で綴った紀行集です。
「オール讀物」「クレアWEB」での好評連載中の企画をふんだんに撮りおろし写真を使って書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
75
きょうさんのおすすめ本。6人の作家による(1人が1つのエリアの3灯台を巡る)灯台訪問記。巻頭・巻末にカラーの灯台の写真や各作家間に灯台の写真とデーターも記載されている。樫野埼灯台のエルトゥールル号遭難事件の人と人との暖かい交流を改めて確認。またナビの目的地からズレているが、いい波がある御前崎灯台も良いですね。灯台擬人化プロジェクトってのがあるのを初めて知った。2025/03/09
しげ
54
海とは無縁な街に住んでいる事も有り、それほど灯台に興味を感じてはいなかった…と言うのが本音で川崎さんや永井さんなど馴染みの有る作家さんの紀行文を読んでみたくて図書館から借用、文明開化以降欧米主導で日本各地に建設された歴史経緯を門井慶喜さんのレポートで知れましたGPSなどが発達した現代では補助的役割となった灯台、地域シンボルとしての各種取り組みも面白いと感じた。2025/05/25
えりまき
28
2024(319)カラー写真もあり、豪華小説家による灯台リレー紀行。香川/島根の門井慶喜さん・高知の澤田塔子さん。和歌山・三重の阿部智里さん。北海道の川越宗一さん。静岡の永井紗那子さん石川/富山/福井に阿部龍太郎さん。凛と佇みしっかりとお仕事する灯台が好きです。のぼれる灯台16チャレンジ中。 2024/11/16
スプリント
19
著名な6人の作家がエリアを分担して灯台を巡る紀行文集です。 灯台に思い入れのある作家もいればそれほど強い思いを抱いていなかった作家もおり多様な視点での灯台巡り紀行文を楽しめます。 高台の岬に建てられている灯台はそれ自体は高さはなくずんぐりした建物なんですね。2025/01/03
MASA123
12
「作家お一人につき、一つのエリアを巡るのですが、永井さん、所縁のある静岡県でいかかがですか?」「そこに建つ灯台と、それを巡る土地と歴史の物語を探る旅なんです」・・というお誘いをうけて「行ってみたい・・・かもしれません」かくして私は、期せずして、灯台に向き合う旅に出ることになった。 「阿部さん、灯台にご興味ありませんか?」とお誘いをうけて「えーと、興味があるかというご質問の意味が『詳しいですか』という意味なら確実に『いいえ』なんですが、『行ってみたいですか』という意味なら『はい』になりますね」2025/03/10
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