内容説明
沖縄は好きですか? 年に何回くらい行きますか? 現地に行かずとも沖縄を感じられるものがあるといいですよね。身近な草花や歌謡曲、TVのヒーローものや美術作品など、あなたが触れる身近なものに、実は沖縄とのリンクが存在します。それらを頼りに、沖縄の歴史や現在抱えている問題を見つめ直し、未来を照射する。中世のグスク(城)、学童集団疎開、ハンセン病、基地問題……。丹念な取材で、曖昧な知識を確かな認識へと昇華させた、ヤマトンチュによる沖縄をたどる旅。著者の真骨頂といえるノンフィクション!
目次
プロローグ――ブーゲンビリアと「星の砂」
第1章 戦争の爪痕
1 わが郷里で「もうひとつの沖縄戦」があった――学童集団疎開
2 佐喜眞美術館と「沖縄戦の図」
3 海の底にいる子供たちへ――「対馬丸事件」を追う
第2章 沖縄が潜在的に抱えた苦悩
1 「せいしょこさん」はどこを見ているのだろうか
2 ウルトラマンは沖縄からやってきた
3 本土復帰はしたけれど――二つの碑文に込められた思い
第3章 ヤマトで起こった沖縄への排除
1 演劇「人類館」が訴えるもの
2 集団就職とがじゅまるの会
第4章 米軍基地の島で生きる
1 奪われた故郷――嘉手納飛行場にあった村
2 普天間基地は戻ってくるのだろうか
第5章 平和を希求する沖縄の文化――交流の歴史
1 沖縄へのラブソング
2 沖縄のグスク
エピローグ――あなたの隣にある沖縄を見てみよう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
38
戦後、長く占領されたまま、ある意味人身御供として切り捨てられていた沖縄。そこは忘れてはいけないし、目を背けてはいけない。その代わりにと、とってつけた優遇措置。この国にあるお決まりのパターン。じゃあ、これからが問われるよな。東シナを巡っての緊張関係。まさに今、琉球諸島をどう位置付けるか。ヤマトンチュがどうするか、ウチナンチュは見ている。この国の未来はどうか。2024/10/14
二人娘の父
8
故郷に沖縄から疎開していたこと、疎開船・対馬丸のことなど、なんらかの自分とのつながりから、「沖縄」を深掘りし理解していく過程を描いたルポルタージュ。失礼ながら期待を大きく超えた素晴らしい内容だった。内地・本土・ヤマトの人間にとって沖縄は遠く、そして誤解も多い。しかしよくよく目を凝らして見れば、沖縄につながるものは隣にある。そんな視点を提供する著者の姿勢が、よく伝わってきた。実は佐喜眞美術館、対馬丸事件記念館には、行ったことがない。何としても行かねば、という思いを持った。2025/07/22
みさと
5
著者の故郷、熊本県八代市には沖縄で見られるブーゲンビリアがたくさん咲く。なぜ?という疑問を持ったところから次々と沖縄との関わりが見えてきた。八代は戦時中に沖縄から最も多く学童集団疎開があった場所だった。憑かれるように沖縄通いが始まった。対馬丸記念館、佐喜眞美術館、ハンセン病療養所、本土と沖縄の関係の矛盾、本土の沖縄に対する視線の差別性が次々と現れてくる。人類館事件、集団就職で本土に渡った人たちが直面した現実、基地問題に現れる本土の人々の無関心さ、祖国復帰にかけた願いが幻だった悲しみ。私のすぐ隣にある沖縄。2024/12/18
かみーゆ
3
プロローグから第1章の「戦争の爪痕」が本当素晴らしい。対馬丸の生存者の方にもしっかり話聞いてるとか丁寧に取材してるのがわかるし著者の真摯な姿勢が読んでいて心地よい。佐喜眞美術館、仲村清司さんとかの「オトナの社会科見学」でも紹介されてて、いつかはと思ってたけど行かないといけないですね。辺戸岬にあるという祖国復帰闘争碑もいつか見に行けたらなと思います。2024/09/08
アイリス
2
沖縄出身であるのに知らない事ばかりで、この本を読んで恥ずかしく、そして丁寧に詳しく取材して書かれた本にとても感銘を受けた。戦争について口を閉ざしていた祖父母にもっとちゃんと聞けば良かったと後悔した。今度、佐喜眞美術館や対馬丸記念館を是非訪れたいと思う。2024/12/05
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