内容説明
戦国時代から続く名家・福森家の屋敷で起きた一家惨殺事件。死体はいずれも人間離れした凄惨な手口で破壊されており、屋敷には何かの儀式を行ったかのような痕跡が残されていた。福森家と親戚関係の中村亮太は、ある理由から霊能者の賀茂禮子と共に屋敷を訪れ、事件の調査を行うことになる。賀茂によれば、福森家が収集した名宝・名品の数々が実は恐るべき呪物であり、そのいずれか一つが事件を引き起こしたという。賀茂の話を信じきれない亮太だったが、呪物が巻き起こす超常的な事象を目にしたことで危機を感じ始める。さらに一家の生き残りの子供たちにも呪いの魔の手が……。一家を襲った真の呪物は? そして誰が何のために呪物を仕掛けたのか? 数百年続く「呪い」の恐怖を描く特級長編ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
214
貴志 祐介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新境地、意欲作、伝奇呪物怪奇譚の大作でした。しかしながら著者の過去の傑作「黒い家」&「悪の教典」と比べると、期待値が高いため、蘊蓄多め&怖さ少なめ&面白さ少なめでした。 河童や人魚の木乃伊を造る職人が存在していて、輸出もしていたというのは史実でしょうか❓ https://www.kadokawa.co.jp/topics/12466/2024/11/12
のぶ
98
賛否いろんなレビューがあるようですが、自分はあまり楽しめませんでした。読んでいて過去の人物の名前とか多くの呪物がでてくるが、なんかゴチャゴチャしてしまい、途中から読み疲れてしまった。確かに呪物については詳しくなったけれど、この展開で600ページ読まされるのはさすがに長すぎる。貴志さんには初期の頃の「暗い家」や「青の炎」を期待するのだけれど、本作でもその希望は満たされなかった。虚脱感しか残らない。そろそろこの作家から卒業しようと思う。2024/10/28
ゆみねこ
81
戦国時代からの旧家・福森家で起きた陰惨な惨殺事件。4人が殺害され、犯人と目される人物は山中で自殺していた。福森家の親戚の中村亮太は祖母の依頼で霊能者の賀茂禮子とともに事件を調査する。次々に明かされる名品名宝にかけられた呪い。その因を作ったものの非道さ。福森家にかけられた呪いの凄まじさと最後の戦い。一気に読めたから面白かったことは確か。しかし、色々詰め込み過ぎてちょっとお腹いっぱい。2024/11/19
itica
72
ある名家で起こった凄惨で不可思議な殺人。親族は霊能者の力を借りて、残された子供たちを守るためにも、その謎を解き明かそうとする。内容としては私好みなのだが、呪物骨董品がこれでもかと集められた家が不気味だし、物のひとつひとつに想像を絶する経緯があり、憎しみ恨みがこもっているのが恐ろしかった。しかし、まるで呪物の学術書を読んでいるような具合で、なかなかページが進まなかった。映画化したら皆を震え上がらせるような一級品のホラー作品になるだろうと思うが。 2024/11/03
雨
71
とにかくたくさん呪物が溢れる御屋敷と呪いと霊能者の戦いと……盛り沢山でした。2024/10/27