内容説明
もはや日々の生活のインフラと化したインターネットという科学技術なしに,私たちは生きていくことすらできない.全世界で利用者が50億人を超えたいま,インターネットは,趣味や仕事から医療や安全保障までを包摂するひとつの「文明」と化した.そこにはどのような人類史的な課題や使命があるのか.第一人者が語る.
目次
プロローグ インターネット史に刻まれたふたつの大事件
第1章 インターネット文明とは何か
第2章 テクノロジーと共に生きる
1 AIとインターネット
2 IoTとインターネット
3 5Gとインターネット
第3章 日常生活に不可欠となったインターネット
1 インターネットにおける文化の多様性
2 インターネットがビッグテックを生んだ理由
3 オンライン課金の仕組みと暗号セキュリティ
4 メディカルインクルージョンの実現に向けて
第4章 インターネット文明の政策課題
1 プライバシー保護と監視社会
2 インターネット規制と国際協調
3 言語と出版文化
4 サイバーセキュリティの三つの空間
5 デジタル庁の発足と日本のDX
第5章 国際政治におけるインターネット
1 インターネットと地理学
2 インターネットと地政学
3 米中摩擦とインターネットの未来
第6章 インターネット文明で果たすべき日本の役割
1 日本の技術開発の底力を見せるとき
2 インターネットの公共性と持続可能性
エピローグ インターネット文明の未来
1 人類がふたたび月面に立つ
2 より良いインターネットを維持するために
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
もはや日々の生活のインフラと化したインターネットなしに、私たちは生きていくことすらできない。そこにはどのような人類史的な課題や使命があるのかを第一人者が語る1冊。コロナのパンデミックがもたらした急速な変化と、ウクライナ侵攻で顕在化したインターネットと電力の関係性。それを踏まえながらUNIXが果たした意義や、AIやIoTとの関係がどのように構築されてきたのか、通信環境の変化によりどう変わってきたのか、何をきっかけに技術革新が進んだのか。日本の状況や今後の政策課題、海底ケーブルの問題などを興味深く読みました。2024/10/13
むた
15
著者はインターネットというインフラを黎明期から支えてきた。普段の生活から災害時まで今やインターネットがなけりゃなんもできん時代になりました。作者は日本のインターネットについて、技術的に世界をリードできていない現状だが、逆に誰も置いてきぼりを作らないデジタル社会を目指して「周回遅れの先頭ランナー」を走ることができる国だと述べている。最近の新書は、日本やばいでしょ、みたいなことばかり言って日本人の自信を根こそぎ持っていくので希望を持たせてくれる書き方で少しほっとした。2025/04/02
とも
10
インターネットを作った立役者のひとり村井純先生によるこれからのネット社会の本。アメリカで生まれたネットがいま日本語で使えるのはこの方の貢献が大きい。 ネットのデジタルの基礎教養ともいえる本。現代人必読の一冊。2024/10/02
naotan
10
最高に分かりやすく、面白かった。日本のインターネットへの貢献って、縁の下の力持ち的なところがある。村井さんありがとう。2024/09/25
みのくま
7
インターネット黎明期から技術発展と並行して日本がどのような立ち位置で闘っていたかがよくわかる良書である。ネットはすでに歴史になっており、例えばなぜPCは多言語で扱えるのかといった事なども大変勉強になる。日本の技術者がいかに欧米中心主義の世界に食らいつき、その恩恵を後世に遺してくれたかはもっと知られていいだろうと思う。他方でタイトルに冠してある文明という観点からは少し物足りなさが残る。確かにネットは新しい文明であろうと思うが、本書のようにインターネットの歴史を取り扱うだけでは文明史としては片手落ちであろう。2025/05/27




