岩波現代文庫<br> ドストエフスキーとの旅 - 遍歴する魂の記録

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岩波現代文庫
ドストエフスキーとの旅 - 遍歴する魂の記録

  • 著者名:亀山郁夫
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  • 岩波書店(2024/09発売)
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  • ISBN:9784006023409

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内容説明

ドストエフスキー文学の翻訳・研究者として名高い著者の自伝的エッセイ.少年時代に初めて『罪と罰』を読んだ時の衝撃から学生時代の文学サークル体験,ロシア留学時のスパイ容疑事件,プーシキン・メダル授賞式など,自らの人生のエピソードにドストエフスキーの作品世界が重ねあわされながら語られる.(解説=野崎歓)

目次

プロローグ
Ⅰ 「父殺し」 の起源
アイデンティティ・クライシス 二〇〇八年十月,モスクワ
「誕生」 の瞬間 二〇〇七年二月,モスクワ
「根源」 という糸 二〇〇一年九月,ザライスク
シャーマンの声 二〇〇一年九月,チェルマシニャー
「黙過」 と 「憐憫癖」 二〇〇九年一月,東京
無意識の回廊 二〇〇九年一月,東京
「出会い」 の原点 一九六三年八月,宇都宮
もうひとつの親殺し 一九五七年二月,宇都宮
文学少年 一九六六年十月,宇都宮
Ⅱ 激動の青春
「地下室」 の記憶 一九六八年五月,東京
ロマンティストの無残 一九六八年六月,東京
感傷家の恋 一九六八年八月,宇都宮
裏切り者 一九六八年十月,東京
実存主義を疑う 一九六九年十月,東京
Ⅲ 『罪と罰』体験
再挑戦 一九七〇年九月,宇都宮
「意志の書」,「運命の書」 二〇〇九年四月,東京
傲慢,または生の証 二〇〇九年四月,東京
世界が終わる夢を見る 二〇〇九年四月,東京
王宮橋からの眺め 二〇〇九年五月,サンクトペテルブルグ
一億倍も醜悪なこと 二〇〇九年四月,サンクトペテルブルグ
ホテル 「サン・ラザール」 二〇〇九年五月,パリ
Ⅳ 甦る 『悪霊』
三島の死 一九七〇年十一月,東京
唯我論者 一九七一年四月,東京
霧の彼方の地獄 一九七二年一月,東京
決 別 一九七二年三月,東京
Ⅴ ウリヤノフスク事件
プーシキン・メダル授章式(一) 二〇〇八年十一月,モスクワ
事件の発端 一九八四年八月,ウリヤノフスク
尋 問 一九八四年八月,ウリヤノフスク
社会主義の神 一九八四年八月,ヴォルゴグラード
恐怖の帰路 一九八四年八月,ハリコフ
甘い傷の疼き 一九八四年九月,ナホトカ
プーシキン・メダル授章式(二) 二〇〇八年十一月,モスクワ
Ⅵ カタストロフィ
「怒りの日」 二〇〇一年九月,ロンドン
汚れた青空の下で 一九七六年八月,セミパラチンスク
健やかな午睡 二〇〇九年八月,広島
決 壊 二〇〇九年六月,東京
「わたしは恥ずかしい」 二〇〇九年十月,郡山
四十六の瞳 二〇〇九年十月,松山
チェチェン戦争の影 二〇〇八年二月,モスクワ
二十世紀末の 「邪宗門」 一九九五年三月,東京
還暦の太宰 二〇〇八年一月,東京
小説に挑戦する 二〇〇〇年一月,東京
瓦礫のなかの 「四次元」 二〇一一年七月,釜石
Ⅶ ロシアの幻影
三つの類 二〇〇八年七月,サンクトペテルブルグ
グーグルアースの七百三十歩 二〇〇八年七月,サンクトペテルブルグ
「空間を貪り食いながら」 二〇〇三年十一月,スターラヤ・ルッサ
「過去」との別離 二〇〇六年一月,モスクワ
ロシアヘイトの根源 二〇一四年九月,チェルノブイリ
神隠し 二〇一八年八月,パーヴロフスク
幻想の 「吊り橋」 二〇一八年八月,トヴェーリ
去勢派とバフチン 二〇一八年八月,オリョール
Ⅷ ヨーロッパの幻影
絶対愛への羨望 二〇〇二年十二月,ドレスデン
神々しいゲルツェン 二〇〇九年九月,東京
楽園喪失 二〇〇四年一月,バーゼル
ドナウの黄昏 二〇〇四年九月,ベオグラード
「パリの奇跡」 二〇〇四年一月,パリ
最高に冷静な読者 二〇〇四年三月,ロンドン
裁ち割られた書物 二〇〇四年三月,ロンドン
ロワ墓地,または苦い後味 二〇一九年十二月,ジュネーヴ
ナボコフの呪い 二〇一九年十二月,ヴヴェイ
まひわの聖母 二〇一九年十二月,フィレンツェ
水の迷宮 二〇一九年十二月,ヴェネツィア
「黄金」 の時 二〇一九年十二月,ヴィースバーデン
Ⅸ ひそやかな部分
続編を空想する(一) 二〇〇七年八月,東京
続編を空想する(二) 二〇〇七年九月,東京
許されざる者 二〇〇五年五月,新宮
犬殺しのミステリー 二〇〇七年三月,東京
罪なきものの死 二〇〇八年三月,東京
父の 「実像」 二〇〇九年二月,東京
甦る 「カフカ」 二〇〇九年十二月,成田
絶滅収容所(一) 二〇〇九年十二月,プノンペン
絶滅収容所(二) 二〇〇九年十二月,プノンペン
「水死」 の記憶 一九六一年八月,宇都宮
「仏作って,魂入れず」 二〇一三年八月,ロンドン
語られざる何か二〇一四年五月,山形
Ⅹ 新たな旅立ち
十年後のマンハッタンにて 二〇一一年八月,ニューヨーク
月桂樹とレモンの香り 二〇一六年六月,セヴィリア
虐殺の匂い,柘榴の香り 二〇一六年六月,グラナダ
魂の成熟 二〇一九年七月,ボストン
AI時代のバッハ 二〇一九年八月,東京
「喜々津よ」 二〇一九年十月,島原
虚しい抵抗 二〇二〇年二月,名古屋
一匹の蝶の羽ばたき 二〇二〇年五月,名古屋
死の謎 二〇二一年五月,東京
エピローグ
魂の地図 あとがきに代えて
解説(野崎 歓)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

50
衝撃的に面白かった「謎解き『罪と罰』」の著者の本と勘違いして購入してしまった。途中で気付いたがせっかくなので読了。著者によれば「人間のだれもが、すべての人、すべてのものに対して罪がある」いう世界観がドストエフスキーの作品の根幹を成すという。そしてこの世界観に惹かれた著者がドストエフスキーに関する学会やら史跡巡りやらで世界中を駆け巡り、行く先々でさまざまな出来事や発見に出会うさまを描く。まるで妄念に憑かれたような人で、ドストエフスキーの研究者ともなればこうでなきゃいけないんだろうかなどと妙に感心もした。2021/11/20

しおり

8
翻訳者、しかもドストエフスキーの翻訳をしている人はいったいどんな人だろうかと今まで想像していて、今回少しだけ霧が晴れた。本に没入する力というか、現実の体験と本のそれを融合させる力がずば抜けている。本の表紙にあるように、本を絨毯に世界を駆けまわれるのだろうなと思った。部屋にこもるイメージがあったけど、移動に次ぐ移動。エネルギッシュだった。年を経ても変わらない情熱に脱帽した2022/03/31

aoi

6
めちゃくちゃ面白かったぁぁぁァァァァ!!!!! 光文社古典新訳文庫で亀山さん訳のドストエフスキーの本を読んでからご本人の本を読んでみたくて手にとった。 感傷的で憐憫癖のある著者がドストエフスキーやドストエフスキーの作品と引っ付いたり離れたりしたがら時間や土地を行き来する。時間旅行のような、現実と文学作品の世界を行き交うような感覚に気持ち良さを覚えた。 もっと亀山さんの本を読みたーーい。2022/01/02

amanon

4
数頁程のごく短いエッセイを集めたものだが、殆どそのどれもに、ドラマというべき、熱い展開が綴られていて、ぐいぐい引き込まれ、一気読み。とりわけ惹きつけられたのが、著者自ら文学少年と呼んだ、『罪と罰』の読書体験から大学時代までの読書遍歴。とにかくその早熟な読書歴に深い憧憬と嫉妬を覚えてしまう。それともちろん忘れていけないのは、タイトルにもある著者の旅行記。恐らく、今後足を踏み入れることのない、ロシアを中心とするドストエフスキーゆかりの地の描写に、少なからず興奮を覚える。また巻末で触れられるコロナ禍が重たい。2024/01/26

ソフィ

1
ザ・求道者の世界だった。それにしてもドストエフスキー関連の会議やイベントってこんなにたくさん行なわれているのだなあ。2022/01/09

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