原発を止めた裁判官による 保守のための原発入門

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原発を止めた裁判官による 保守のための原発入門

  • 著者名:樋口英明
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  • 岩波書店(2024/09発売)
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  • ISBN:9784000616508

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内容説明

2014年大飯原発運転差止判決,2015年高浜原発再稼働差止決定を書いた元裁判官による原発入門.極めてシンプルに原発の本質を提示したに本書を読めば,人類が原子力発電を続けてはならない理由が理解できるだろう.漠然と「原発は安全,原発は必要」と考えている人こそ,本書を正面から受け止めてほしい.

目次

はしがき
第1章 原発の実態
1 もし,珠洲に原発があったら
2 報道されない原発のトラブル
3 福島第一原子力発電所
メルトダウンと水素爆発
大量の放射性物質とがれきが降り注いだ
使用済み核燃料貯蔵プール
現在の福島第一原発はどうなっているのか
第2章 原発の本質
1 原発の仕組み
原発の基本構造
安全三原則
2 東日本は壊滅しかけた
福島原発事故の被害
奇跡が起きた2号機
信じられないような奇跡の連続
原発事故の被害の甚大性・危険性
3 原発の本質
原発の本質はシンプル
多くの知識人の誤解
誤解1:国に対する過信
誤解2:「危険性」に関する先入観
誤解3:社会の仕組みに対する過信
4 原発の耐震性
原発の耐震性の重要性
「耐震性」とは何か?
「地震動」と「基準地震動」の意味
解放基盤表面での地震動
ハウスメーカーの住宅より低い耐震性
請戸の浜と避難計画
第3章 原発と司法
1 損害賠償請求訴訟
自主避難者への賠償
2022年6月17日最高裁判決
株主代表訴訟東京地裁判決
2 原発の運転差止訴訟
志賀原発の裁判について
原発を止めるべき理由
なぜ,これまで耐震性が問題とされなかったのか
なぜ,耐震性を問題とすべきなのか
原発の耐震性と地域特性
裁判官の役割と訴訟の転換
3 福島原発事故の刑事裁判
裁判の経緯と判決内容
判決は何を言っているか
第4章 保守と原発
1 政治的立場
2 保守政権の原発政策と原発回帰
グリーントランスフォーメーション
40年ルールの変更
原発の新増設
3 原発は本当にコストが安いのか?
電力需給
コスト論
4 原発は国防問題である
エネルギー・環境問題と同時に国防問題
原発の五重苦
軍事的発想について
5 保守政治
真の保守はイデオロギーでなく国の運命を担う
保守政権について
6 ジャーナリズム
終 章
キング牧師の言葉
狂人が盲人の案内をする

本文に記した以外の主な参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

RED FOX

13
「ヨウ素剤の準備までしてしかも決死隊まで準備しておかなければならない発電方法とは一体何なのだろうか」停電、断水が原発の弱点と知る。60mポンプ車は中国無償提供で今も福島待機と知る。2025/01/27

ベンアル

9
図書館本。大飯原発を止めた元福井地裁の裁判官が書いた本。地震学が発達したのは阪神淡路大震災の後であり、それまで地震の揺れによるデータは乏しかった。原発の建設は1970年代が多く、最新の地震学の知見が原発に反映されていなかったのは問題がある。2025/04/10

マサキチ黒

8
「奴雁。ジャーナリズムとはそういうものでなければならないと思う。」と作者は言う。大飯原発差し止め訴訟の裁判官が退任後に書いたモノで、保守とは当然政治思想の保守。当時、保守を名乗る有象無象からの誹謗中傷にうんざりしたのがよく分かる。珠洲に原発があったら。。。福島第一原発事故時に、ありえない「天の配剤」がなかったら。。。文章がうまいなどとは思うはずもないが熱量は伝わってくる良書。2024/11/07

青雲空

8
いろいろ刺さる言葉だらけだが、敢えて一つだけ引用したい。終章から「現在の政権に否定的でない読者がこの本をここまで読み進めたとしたら、私は素直に敬意を表したいと思う。私たちは自分の意見と違う意見になかなか耳を傾けることができずにいるからだ。しかし、知性は、自説を維持sるための根拠や上手な弁解を探す能力のことではなく、自説と違うとしても筋が通っている意見を受け容れる能力のことである。真の保守は同時に知的であるはずである。」2024/09/23

Hiro

3
核は手間や資金が掛かり過ぎる上に地震国日本では危険性が高い、というのが本書の主張で私も同感。著者は技術的な神学論争に陥らずシンプルに素人の素朴な疑問から出発すれば、そして原油価格の上昇のような目先の不便や不利益ではなく、ひとたび原発に異常が発生した時の放射能汚染の影響を考えれば、脱原発しかあり得ないと説く。さらに戦時には原発は格好の標的になるし万一の事故の際支援を装った他国の侵略まで招くとも。原発容認、利用拡大に走る政治、それを助ける司法とマスコミも厳しく批判する。良書だが推敲不足で読みにくいのが残念。2024/11/24

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