内容説明
ドイツとフランスは、19世紀から20世紀にかけての70年間に3度も戦争を繰り広げ、不信と憎悪を募らせた。しかし、その後の両国は徐々に和解への道を歩み始め、EUの基盤を築いていく。なぜ、協調は可能だったのか?本書は、ド・ゴール、アデナウアー、ミッテラン、コール、メルケル、マクロンなどの政治指導者の政策、民間外交の動きなどを一望。因縁深い両国の関係を通し、欧州の歴史をたどり、展望を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
62
独仏関係史を普仏戦争から書き起こすが、メインは第2次世界大戦後の、仏大統領と独首相の関係からみる政治的な動きで、お互いが多くの犠牲者を出し合った戦争の後でありながら、東西対立という条件の変化もあってか、連携を模索していく部分が特に興味深かった。当時の政治家や外交官の凄さを感じる(今の日本を見渡しても・・・)。その後もマクロンとメルケルまでそのリーダーの関係が述べられている他、青少年交流や文化・教育での連携にも触れられている。当然EUやNATOという枠組もあるが、フランスはドゴール以来の脱英米が強いようだ。2024/11/26
kk
23
図書館本。19世紀後半以降、三度にわたる死闘を演じたドイツとフランス。その両国・両国民が怨讐を乗り越えながら、戦後ヨーロッパ新秩序の構築という見果てぬ夢に向けて努力し、また悩み苦しむ様を活写する力作。主眼となるのは、欧州統合と両国関係の相互作用という観点か。民間における理解・協力のためのイニシアティブにも程よく目配り。他方、冷戦下における米ソ関係が独仏連帯に及ぼした影響や、産業・貿易・金融などの面における独仏パートナーシップの消長などは後景に退いている印象。いずれにしても、勉強になりました。2024/09/30
ラウリスタ~
15
フランスから見た独仏関係。実はここ150年くらいはドイツの力がフランスを凌駕しているという状況が続いており、東西ドイツ分裂によりややバランスは戻ったものの、統一により再びドイツが明確に優位に。フランスの核抑止力、外交的野心、そして歴史的状況によるドイツの自制によって、なんとか均衡を保つ。ただ、独仏関係を必要としているのはフランスの方、ドイツをヨーロッパに組み込み、フランスがヨーロッパを主導する形。単に戦後仲良くなった隣国(日韓と逆に)と片付けることができない、紆余曲折があった。ウクライナ後の欧州はどうなる2025/07/08
nagoyan
15
優。合わせ鏡のように中世王権から近代主権国家へ移行した両国は、3度の独仏戦争を経て和解と協調の二国間関係を築く。両国の提携は欧州統合への母体であり、推進力であった。しかしながら、両国の和解と提携は、軍事的には米国の影響下にある大西洋同盟の存在を前提とするものであり、仏は米国から自立した欧州をもとめ、独は仏との経済的統合による利益と露仏の提携を阻む戦略的利益を追求するために和解と協調を欲した。冷戦終焉はその基礎を掘り崩す。しかしながら、両国関係は破局に至ることはないしなやかさを有している。勉強になる本。2024/10/04
nishiyan
13
19世紀から20世紀にかけての70年間に3度の戦争を繰り広げたドイツとフランス。両国の和解の歩みを描き出した新書。独仏関係を重視したのはフランスであり、フランス側の資料が多いという点は非常に興味深かった。土地や人口比で常にドイツがフランスを上回っていたという理由はあるのだが、第二次大戦後は米ソの間でフランスが独自の地位を得ようとした結果の独仏提携、そしてEUという大きな流れに繋がったといえる。独仏首脳の関係性は面白い。個人的な相性の良し悪しとは別にした関係性を作れたのは対話の連続があったからだろう。良書。2024/11/05
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