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出版社内容情報
《フウ》――最下層の孤独少女。
友は小鳥のアサと、ジャンク屋の片隅で見つけた、古いラジオのみ。
《カザクラ》――マイペースな腹ぺこガール。
出会った瞬間からフウを「お兄ちゃん」と慕い、陽気な笑顔でつきまとってくる。
そんな二人が出会ったここは、世界にただ一つ残るヒトの国。異形の怪物たちが支配する果てなき砂漠の真ん中で、ヒトビトは日々の貧苦を喜びとし、神の使いたる王のために生きねばならない――。
だが、彼女たちが知る世界は、全部大ウソだった。
たくさんの知恵と一握りの勇気を胸に。今、《世界一ヘヴィな脱出劇》が始まる。
第26回電撃小説大賞《銀賞》受賞作。
風の名を持つ、二人の少女の物語。
内容説明
“フウ”―最下層の孤独少女。友は小鳥のアサと、ジャンク屋の片隅で見つけた、古いラジオのみ。“カザクラ”―マイペースな腹ぺこガール。出会った瞬間からフウを「お兄ちゃん」と慕い、陽気な笑顔でつきまとう。そんな二人が出会ったここは、世界にただ一つ残るヒトの国。異形の怪物たちが支配する果てなき砂漠の真ん中で、ヒトビトは日々の貧苦を喜びとし、神の化身たる王のために生きねばならない―。だが、彼女たちが知る世界は、全部大ウソだった。たくさんの知恵と一握りの勇気を胸に。今、“世界一ヘヴィな脱出劇”が始まる。第26回電撃小説大賞“銀賞”受賞作。風の名を持つ、二人の少女の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まっさん
33
★★★☆ 電撃文庫大賞銀賞受賞作品。物語が始まって早々、数ページで何人もの旅人が異形の怪物に喰われていく展開にとても引き込まれた。文明が崩壊し、異形の怪物が跋扈する荒廃した世界で生き抜く二人の少女を描いた今作。ひょんな事から手にしたラジオから流れる知識を活用して過酷な世界を生き抜く術を身に付ける主人公・フウとそんな彼女の元にある日転がり込んできたマイペースな少女・カザクラ。彼女達を取り巻く様々な勢力の思惑はかなり身勝手で気持ちのいいものではないけれど、読了後にそのもやもやをあまり引きずらないで済むよ→2020/05/19
まるぼろ
32
かつて無知な為に母を脱水症で死なせてしまったフウは、ジャンク屋で見つけた古いラジオで知識を広げていくが、カザクラと言う人造人間の少女と出会い、やがて世界の真実を知る様になり…というお話です。とても面白かったです。チオウという閉じられた国の中で、ラジオによって成長してきたフウだっただけに、キザクラを助けようとチオウを脱出した先の電波塔での一幕は胸に来るものがありました。アマクニに辿り着いた先で新たな目標を手に入れたフウ達ですが、次巻はどんな話になっていくのかとても楽しみです。2020/04/26
羊山羊
24
ラノベで涙ぐんだの、生まれて初めてかもしれない。ラスト近くのラジオシーンがとにかく感動的で印象に残っている。2人の少女と1台のラジオが織りなす、ディストピア&冒険&百合小説。他国と砂漠に断絶された国、チオウでの少女の生き残りの物語だ。チオウにしろ砂漠の野獣にしろ、情け容赦ない世界が主人公フウとカザクラの意思と命をゴリゴリに燃やしまくる。ちょっと設定や展開に急ぎが見えるけど、世界観や上記のシーンも相まって大好きな1冊。ひとつ海のパラスアテナ以来に魂の震える冒険ラノベだった!大満足!2020/09/25
緋莢
18
第26回電撃小説大賞銀賞受賞作品。大きな戦争の後、唯一残った国と言われる「チオウ」。その第五管轄区に暮らすフウは、母親を亡くし、日々食べるものと飲む水を確保するのが精一杯という生活を送っている。そんな時、よく母親が口ずさんでいた歌が流れる“ラジオ”という機械を手に入れた事で、フウの生活に変化が起きて…「おんせいでーた、つうのがあって、それをどっかのもの好きがでんぱに乗せて 流してるのよ」ラジオを売った爺さんはそう言い、フウはその放送のストックが無くなるのを気にしながらも(続く2020/12/14
真白優樹
17
世界にただ一つ残る、神の使いたる王への献身を強いられるヒトの国で、最下層で孤独に生きる少女がラジオと謎の少女に出会い、始まる物語。―――知識と勇気、そして仲間こそが世界から踏み出す大切な鍵。 初めて知る知識、また新たに出来た家族。 大切なものを得た少女達が偽りの残酷な世界から一歩踏み出し飛び出していく物語であり、懸命に生き抜き好奇心のままに飛び出していく、エネルギーと一種の熱さに満ちた刺さる人には刺さるだろう中々に面白き物語である。始まる新たな旅、彼女達の道の先に待つ者とは。 次巻も須らく期待である。2020/03/11