内容説明
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本書では統計学の解析法を使って結論を引き出した後についてくる、「後ろめたさ」や「モヤモヤ感」が何に起因するのか、その要因を探っていく。「科学哲学」を使うことで、統計解析ソフトのブラックボックス化した中身について数式を極力使わずに詳述。統計学の背後にある思考の枠組みまで掘り下げ、より深く統計学を理解することを可能にしている。統計的な仮説検定まで学んできた読者の学び直し、そして統計を使い始めた初学者にとっても理解力の向上につながる充実の一冊。
目次
1 統計学を使うときに抱く後ろめたさ:帰納推論
2 帰納がもたらす後ろめたさへの対応策
3 統計思考にまつわるモヤモヤ感:誤差論的思考と集団的思考
4 帰無仮説有意性検定を使うときに抱くモヤモヤ感:有意性検定と仮説検定
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
YO)))
16
「統計学的手法を使った際に感じるモヤモヤを軽減すること」を目的として、学説史や科学哲学に立ち入って「統計学が如何にして/如何なる考え方の元で帰納推論を可能とすべく模索してきたか」を語る、とてもありがたい本。 特に主要な論点として取り上げられているのは 「真の値が実在し統計値の分布は誤差であるという誤差論的思考から、分布そのものこそが実在するという集団的思考へのシフト」「科学的な帰納推論としてのフィッシャーの有意検定と、意思決定のための帰納行動としてのネイマン─ピアソンの仮説検定との対立」 であり、2026/03/15
shin_ash
10
いわゆる統計的仮説検定についてモヤモヤしているところを整理して解説してくれている。フィッシャー流とネイマン・ピアソン流が混じってるとの噂は聞いていたが、webだと自己流解釈な説明に思えるし、しっかりした本はヘビーに思える。そう言う意味では手軽な分量で統計史を眺めながらどうなっているのか手っ取り早く解説してる。自分は実験計画法から入ったためか、どちらかといえばフィッシャー流の解釈をしていたことが自覚できた。本書を読んで改めて振り返ってもネイマン的な解釈はツールと言うよりコンサル的メソッドの持つ胡散臭さを感じ2024/09/22
rukaq
3
適宜原著を引用しながら、科学哲学を交えて統計学のモヤモヤの正体を深掘りしていく本。特に有意性検定と仮説検定の根幹にある考え方の違いが初めて理解できた気がする。仮説検定は便利だが、実はnullモデルとの比較でしかないから言えることは少ないよなーと思っていた。それよりもフィッシャー流の有意性検定で、一つ一つ仮説を棄却していって科学を進めていく方が良いのだろう。あと、統計学をひらいた異才たち を読んでから読んで正解だった。論争の背景がわかりやすい。やはり科学は人の営みなんだなぁと思った。2024/10/11
S
2
統計学にある科学哲学思想の流れとか、フィッシャー vs ネイマンピアソンの対立などいまいち理解しきれていなかったのだが、この本はまさにそういうことを説明してくれている。とても面白かった。2025/05/10
Tom
1
科学哲学と統計検定を紐づける良書。統計検定は本質的に帰納である、という主張に腑が落ちた。戸山田「科学哲学の冒険」を読んでいたこともあって、反証主義とフィッシャーの統計検定(対立仮説を認めない)が思想を同じくしていることがよく理解できた。ピアソンの統計検定では、意思決定を求められる研究者の需要から生まれたものだと理解した。2025/11/28
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