ちくま文庫<br> 最後にして最初の人類

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ちくま文庫
最後にして最初の人類

  • ISBN:9784480439543

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内容説明

20億年後の“最後の人類”が現在の人類に語る未来の歴史。数度の世界戦争、疫病の蔓延と地球規模の環境激変、火星人類の侵略など度重なる災禍によって退行した人類は、やがて再び進化の階梯を登り始める。超人類の創造と諸文明の興亡、果てしなき流れの果てに人類が辿り着いた場所とは…。20億年に及ぶ壮大な人類進化の年代記を驚異の想像力と神話的ヴィジョンで描いた伝説的名作。改訳文庫化。

目次

まえがき──アメリカ版初版に寄せて/はしがき──イギリス版に寄せて/序──〈最後の人類〉のひとりより/年代記/第一章 バルカン・ヨーロッパ/1 ヨーロッパ戦争、そして戦後/2 英仏戦争/3 英仏戦争後のヨーロッパ/4 露独戦争/第二章 ヨーロッパの没落/1 ヨーロッパとアメリカ/2 ある神秘の由来/3 抹殺されたヨーロッパ/第三章 アメリカと中国/1 宿敵/2 紛争/3 太平洋のある島にて/第四章 アメリカと化した惑星/1 〈第一次世界国家〉の創設/2 科学の支配/3 物質的達成/4 〈第一次世界国家〉の文化/5 没落/第五章 〈第一期人類〉の凋落/1 〈第一次暗黒時代〉/2 パタゴニアの興隆/3 若さの崇拝/4 大惨事/第六章 過渡期/1 〈第一期人類〉の窮境/2 〈第二次暗黒時代〉/第七章 〈第二期人類〉の興隆/1 新しい人類種の登場/2 三つの人類種の交差/3 〈第二期人類〉の絶頂/第八章 火星人類種/1 火星人類種、最初の侵入/2 火星の生命/3 火星人類種の精神/4 火星人類種の妄想/第九章 地球と火星/1 〈第二期人類〉の窮境/2 二つの世界の崩壊/3 〈第三次暗黒時代〉/第十章 荒野の〈第三期人類〉/1 〈第三期人類〉/2 〈第三期人類〉の逸脱/3 生命芸術/4 紛糾する政策/第十一章 人間の自己改造/1 最初の〈巨大脳人類〉/2 〈第四期人類〉の悲劇/3 〈第五期人類〉/4 〈第五期人類〉の文化/第十二章 最後の地球人類/1 消滅の崇拝/2 時間の探索/3 宇宙への旅/4 新世界への備え/第十三章 金星の人類種/1 ふたたび根付いて/2 飛翔する人類種/3 小さな天文学的出来事/第十四章 海王星/1 鳥瞰的視野/2 ダ・カーポ/3 悠然たる征服/第十五章 〈最後の人類〉/1 最後の人類種について/2 幼年期と成熟/3 人類的な目覚め/4 宇宙論/第十六章 人間の最期/1 死の宣告/2 裁かれし者たちの行い/3 エピローグ/図/タイムスケール1/タイムスケール2/タイムスケール3/タイムスケール4・5/訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

40
新刊コーナーより。1930年代出版当時、時の本となったという作品の和訳です。映画化されたことが出版のきっかけな模様。スターウォーズなどSFにも影響を与えたのかしら?思い込みと情熱と、緻密な設定は「2001年宇宙の旅」をさらにディープにさせた作品というか、ダンテの神曲のようなというか…。ミルトンの失楽園みたい。ところどころに臭う白人男性の優越感が、アジア人女性の自分にはちょっと鼻につくかなあ。2024/07/10

Shun

32
ステープルドンの驚異的想像力で描く人類史20億年。この構想はもはや唯一無二、壮大かつ哲学的な思考実験で人類が辿るかもしれない数億年の軌跡が記されている。まず情報量が膨大すぎて集中力を切らしたら書いてある内容が入ってこなかったりと読破すること自体大変な労力を要するが、”最後の人類”の姿や状況を知るための長い人類進化の歴史を旅しているようで愉しかった。概要は20億年後の人類が現代の一人類に人類が辿る歴史を伝え、それを現代の作家が記述したものが本作という挑戦的なSF作品。「スターメイカー」より難解に感じました。2024/10/08

塩崎ツトム

21
誰が言ったか忘れたが「歴史は繰り返さないが韻を踏む」らしい。人類の世代が変わるが、愚行は変わらず、思い違い、すれ違いが起こり、その様が「映像の世紀」のように、現実の記録映像と重なる。……小説内の人類より早く、わたしたちは宇宙に(ちょっとだけ)進出しているが、それは文明的進歩と言えるのか?愛や心のない、科学的進歩と豊かさ……。2025/01/11

maimai

10
いやいや、時間がかかった。ようやく読み終えた。人類の進化・文明・心性をめぐる哲学のような哲学的妄想のようなものを、特異な語り手が延々と語り続ける長編。文章で綴られたフィクションを「小説」と名付けるのならば、これも「小説」には違いないのだが…。読み続けるには相当の体力が必要だった。決して面白くないわけではない。むしろところどころ強烈に面白い。普通の作家が書いたら10や20の長編に膨らませられるようなアイディアを次から次へと現れて、しかも淡々と語られるので、こちらの思考が追いついていかないと言った方が近い。2025/04/15

keichato

3
読んだぞ!わからない部分も多かったけど、とにかく壮大で読み終えるとものすごい達成感が味わえた。 哲学的だし淡々と書かれているので、何度も寝落ちした。 人類が様々な姿に進化/退化する様子が、ドゥーガルディクソンの「マン・アフター・マン」(1993)を思い出させた。 それにしても、なんでこんなこと思いつくんだろう。20億年先までの人類史なんて、どうやって想像するんだろう。 全然深く読めていないと思うけど、壮大で深淵で、なんかよくわらんけど凄い、という読書体験が味わえて楽しかった。 でも、やっぱしんどかった! 2024/06/15

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