内容説明
●ロシア正教と亡命思想家の預言――、惨劇を生み出した決断の真相
ロシアのウクライナ侵略は、なお終わりが見えない。なぜ兄弟民族が殺し合う悲劇が21世紀の現代に起きたのか、何がプーチン大統領を戦争へと駆り立てたのか。本書は、日本経済新聞前モスクワ支局長が、今回の侵略にロシアという国家の姿や歴史が深くかかわっていることを、プーチン体制に決定的な影響を与えたロシア正教の原理主義と20世紀の思想家イワン・イリインに焦点を当てて明らかにする本格的ロシア論。
目次
序 章 専制と正教会と軍
第1章 「ひとつの民」――ウクライナ侵略への狂信
第2章 プーチン氏の懴悔聴聞僧――ロシア正教会の原理主義
第3章 ナショナリズムの源泉――亡命思想家イワン・イリイン
第4章 保守強硬への転換――パヴロフスキー元政治顧問の証言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
1
率直に言って評価の難しい一冊。ロシア正教の世界観とイワン・イリインに代表されるロシアの保守派の論理を丹念に描く一方、個人的には疑問を抱かざるを得ない部分もある。やはり最大の見所はロシア正教会の幹部で最もプーチンに近いチーホン師と、報道でも度々言及されるイワン・イリインの言説を分析した部分である。「第三のローマ」以来のキリスト教文明としてのロシアの「使命」を強調するのは正教会も保守派の思想家も同じである。しかし彼らの言説は歪んだ大国意識と優越感に浸る衰退国家の悲しき挽歌としか見えない。2025/02/08
Chunko
1
以前から気になっていたプーチンとロシア正教会やイリインとの関わりについて、読みやすくまとめられていて、非常に勉強になった。 プーチンがなぜ今のプーチンになるに至ったのか、一面的な批判だけでなく、擁護だけでもなく、論理的に紐解かれていて、色々と答えをいただけた気がする。 過去の演説や文書で述べていたこと等についても緻密に分析されており、流石プロフェッショナルだなあとそちらの面でも感銘を受けた。2024/10/25
Go Extreme
1
専制と正教会と軍: 軍事礼拝 軍大聖堂 共犯関係 侵攻を支えるロシア正教会 国民の7割・正教徒 ウクライナ侵略への狂信: ひとつの信仰・言語 疑似国家 ノボロシア/新ロシア 正教で結ばれた文明 ピョートル大帝をめざす ロシア正教会の原理主義: スパイの教会 帝国の滅亡・ビザンチンの教訓 ロシア正教の倫理観 ロシアの集団主義・選民意識 亡命思想家イワン・イリイン: 自立するロシア ロシア人は指導的民族 ルソフォビア/ロシア恐怖症 神の事業としての戦争 イリイン思想の伝道師 パヴロフスキー元政治顧問の証言2024/10/05
獅子吉
0
「へーそうだったの」ということが多く、勉強になった。歴史・宗教・民族・外交など、多くの物がまじりあって今のウクライナ侵攻につながった。奥はとてつもなく深い。もちろん早期終結を望むが…2025/06/06
cdttdc
0
軽い興味では理解が難しい。ロシアの歴史、米欧との関係、ロシア正教の役割など複雑に絡んでいる事象を踏まえないとプーチンの思考に辿れなさそうだ。「ウクライナ危機が紛争でなく問題ははるかに幅広く、より根本的で新たな世界の秩序が基盤とすべき諸原則にかかわる話である」と。 もっと深掘ってみる。2025/01/17
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