内容説明
2040年に1200万人の労働力が足りなくなる。迫り来る超人手不足の社会とどう向き合うか。取材班が現場を歩き実態に迫り打開策を探る「朝日新聞」大反響連載を書籍化。多和田葉子氏、小熊英二氏、安宅和人氏、増田寛也氏ほか識者インタビューも収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
労働力が急減し日本が縮みつつある今、難局にどう立ち向かえばよいのか。各地の実態に肉薄し、現状打破に奮闘する人々を描いた朝日新聞連載の書籍化。建築、介護の現場など様々な業界で人手が足りないと悲鳴が上がっていたり、能登半島地震の復旧も現役世代の減少で厳しく、地方でも生活を支えるインフラやサービスの担い手がいなくなり、社会が立ち行かなくなる現実味が増している状況を取材していて、テクノロジーの進化や外国人労働者がカギと言われていますが、2040年には現役世代が今の8割になる状況を支えられるのか考えてしまいました。2024/10/08
Sakie
29
やはり自助が先なのだ。若い人がスカスカの来たるべき未来、減る一方の公金で、いつ途絶えるかわからないインフラで、どこも人が足りない状況で、私は死ぬまで生きていけるのだろうかとよく思う。多和田葉子が取材に答えている。『むしろ自分が他の人を助けながら、与えながら満足できるかが、大切になってくると思います』。『もうちょっと原点に立ち戻って、人間が生きていくのに何が必要かを考えないといけません』。自分で何を備えられるか。自分の手にいざ何がつくれるか。何を維持したいか。自分の身体が動くうちは自分で。公共助はそれから。2025/09/18
kan
28
ロスジェネど真ん中なので、就職難を経験し同世代の層の薄さと現在の人手不足に微妙な感情をもち、加えて女性が「割を食ってる感じ」の中で働いてきた。政治への諦めが強い世代だと思う。人口減少に伴う労働者不足、利便性やインフラ維持の困難はだいぶ前からわかっていたことだが、やっとここ数年で国全体が自分事として認識し始めたように思う。本書の取材事例で、安易な選択と集中による移住促進に賛成は難しいが、綺麗事や感情論では済まない現実を改めて認識した。縮小社会への着陸はすでに進行中で、硬着陸をいかに回避するかというレベルだ。2025/02/08
わんつーろっく
27
人口が減少し、働き手の世代が現状から2割減る『8がけ社会』に向け、私たちはどのように暮らしていくべきなのか。狭い日本そんなに急いてどこへ行く〜って、これは昭和の交通安全のスローガンではあったけど、まさに消滅危機の市町村が移住民を増やして子育て世代に支援を!とPRしても、時期すでに遅し。コンパクトシティ化して、持続可能な形を目指す、これっきゃないような。石破首相の楽しい日本が全く心に響かない今、高齢者は未来を生きる子どもたちに恥じない生き方をする・・昭和世代の決意です。2025/02/21
まゆまゆ
21
長年傾向が変わらない少子高齢化の結果として生じる最大の問題は、働き手である現役世代が減少し今あるサービスを提供できなくなることである、として日本各地を取材した取材班によるルポをまとめた内容。既に始まっている不人気職の人手不足は2040年にどうなっているか。働き手が減る、という前提条件を一人ひとりが認識したうえで備えること。原因や過去を嘆いても始まらないので前向きな議論に期待したいが……2024/10/15
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