徳間文庫<br> 輝山

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徳間文庫
輝山

  • 著者名:澤田瞳子【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 徳間書店(2024/09発売)
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  • ISBN:9784198949679

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内容説明

読書メーターで感動の声多数!
単行本刊行時、新聞・雑誌で書評掲載多数、
話題の直木賞受賞第一作、待望の文庫化!


世界遺産・石見銀山を舞台に直木賞作家が描く
名もなき者たちの美しき生き様


あの山は命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山――

江戸後期、弘化年間。
石見国大森銀山に赴き、大森代官所の中間として働く金吾は、
江戸から代官・岩田鍬三郎の身辺を探る密命を帯びていた。
間歩で鉱石を採掘し、気絶に罹り若くして命を落とす掘子、
重い荷を運び母と妹を養う手子の少年、石を選別するユリ女――
銀山で懸命に働く人びとの姿に心動かされる金吾。
さらに彼らを慈悲深く見守る岩田を見て、金吾は己の命に疑問を抱く……。


【目次】
第一章 春雷
第二章 炎熱の偈(げ)
第三章 銀の鶴
第四章 ありし月
第五章 たたずむはまつ
第六章 いのちの山

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

てつ

27
思いの外のの名作に出会った。澤田さんはこれまで、一人の人物の苦悩に焦点をあててきた気がするけど、実はこんな群像劇も上手いんだと実感。情景表現の美しさも相まって先日訪れた石見銀山の寂れようからは想像もできない、狭い山あいの賑わいが目に浮かぶようです。2025/06/28

Y.yamabuki

23
思っていたより、明るく賑やか、そしてしんみりする物語だった。中間の金吾は代官の身辺を探るという密命を帯びて石見の大森銀山に送られる。けれど、むしろ彼はそこで働く人々と馴染んでいく。名代官なのか悪代官なのか?町の人の事情は?ミステリーを読むような味わい、お仕事小説のような面白さ、市井ものを読む温かさがあり、そこに銀山の持つ特殊な事情、堀子は長く生きられないという宿命が絡む。明るさを失わず矜持を持って懸命に働く堀子頭の与平次の生き様が心に沁みる。 2024/12/16

kibita

13
生まれた場所でその環境で懸命に生きていく。たとえいずれは皆同じ病を得て、短命であると分かっていても。500頁超で長いのだが、第四章「ありし月」あたりから面白くなっていく。江戸後期、輝くいのちの山、石見銀山で生きる人々のお話。2024/11/18

masayuki

10
石見銀山を舞台に、様々な登場人物のそれぞれの生きる姿を、主人公金吾の目を通して描いた長編小説。江戸時代に銀を生産するのは、本当に命を削る作業だった。それでも逃げるでもなく、嘆くでもなく、命を全うしようとする貧しき人たちに励まされた。特に最終章の「いのちの山」は胸がぐぐっと熱くなるので、途中で投げ出さず最後まで読むことをお勧めします。2025/01/28

hrmt

8
江戸からやってきた中間の金吾が、銀山の人々と関わってその生き方を知る。40歳まで生きられないとわかっていても銀鉱を掘って暮らす人々。堀子の父を早くに失ってもやはり堀子となって家族を支える息子。死を目前にしてもなお働く事の意義。それを静かに見守り、生命の限りを受け入れる人々。その場所しか知らず、その仕事しか知らなくても、何を思ってどう生きるかが、生命の長短よりもずっと意味を持つ場合もあるのだろう。そうやって積み重ねられた無名の人生や生命こそがタイトルとなっていて秀逸。名作でしょう。2025/10/12

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