内容説明
「私は第一王女のエミーリアです! この世界を救ってください! 勇者様! 右の掌に紋様がある人は勇者の称号を得ています!」
クラス丸ごと異世界転移した番藤茶太郎達は、王女エミーリアに懇願される。紋様を持つ生徒達は大はしゃぎ。しかし、番藤には紋様がない。こっそりステータスをオープンすると、目の前のウィンドウには《称号:侵略者 固有スキル:穴地球から遣わされた【侵略者】。固有スキル【穴】で世界を裏側から侵す》と書かれていた。勇者じゃなくて侵略者!? これ王女達にバレたらヤバイんじゃね?
よし、逃げるか! かくして番藤の逃亡生活、国家反逆作戦が始まるのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
勇者召喚によりクラス丸ごと異世界転移させられた番藤茶太郎。しかし番藤は自分に勇者の紋様がなく、侵略者の称号を持っていることに気づくファンタジー。勇者の紋様を持っているか否かで格差が生まれる扱い。そんな中で自分の侵略者の称号は迫害の対象なのではないかと気づいて、離脱を図る番藤。固有スキルの「穴」で窮地を脱した彼が、地下組織リザーズと繋がりを作り、落ちこぼれ扱いの仲間たちを拾ったり、S級冒険者の死霊遣いリリアナに慕われたりしながら、隣国の帝国も巻き込んで盤面をひっくり返していく展開はなかなか面白かったですね。2024/09/24
真白優樹
12
クラス丸ごと勇者召喚されるも勇者とは真逆の称号を得た少年が、王国を脱し仲間を集め、王国を揺さぶっていく物語。―――盤面ごと覆し、世界を笑え、仲間と共に。 腹黒、というには割と容赦なく、的確な嫌がらせで国も神も翻弄していく物語であり、どこかダークなヒーローな、悪役に一泡吹かせる爽快感もある物語である。始まったばかりの王国への叛逆、少年の元に集うのは仲間と、手札。果たしてこの得難きものを手に、少年は王国へどんな一手を繰り出していくのだろうか。翻弄される国の行方とは。 次巻も勿論楽しみである。2024/10/07
シノミヤユウ
8
異世界をサクッと攻略する、淡々とした爽快感がクセになる!無制限の穴あけスキルと思考の裏をつく策略で、きな臭い異世界の情勢を掌中に収めてゆく気持ちよさに夢中になりました。主人公は他者を駒と見、己のやりたいようにしかやらないいけ好かないヤツですが、仲間には何だかんだ情が湧いているのが微笑ましい。彼に無邪気に懐くつよつよ銀髪美少女や、彼を慕い気安い距離感で協力するクラスメイト達と、どう異世界を引っ掻き回すのか楽しみ。悪ふざけでやり返すざまあ要素と、相手の思惑の裏を掻く異世界攻略を楽しめる異世界転移ファンタジー。2024/11/24
はじめまこと
4
私が思う「悪」って凡そこれ 何の思想も大義もなくただ愉悦のために何にも障られることなくしたいことをし続けるの 善悪観が一致しててとても好き 他に悪がおらず正義でもなく軽薄として書かれてるのも好印象 あとリリナナちゃん可愛い まあ主人公以外は割とキャラ立ち弱いんだけどこの主人公割とそういう感じで世界を捉えてそうだから仕方ないね2024/10/22
史
2
追放か? あと二十メートルの穴はもはや崖とか谷ですね。そうした言葉選びの部分が引っかかりますが、まあ清く正しい中二病的ファンタジーなんじゃないでしょうか。もっと格好をつけた話にもできるような感じですが、そういうのはありふれているので、こうした勢いでやっているのは逆にいいのかもしれませんね。悪くない。2024/11/12