内容説明
ドゥルーズにとって諸芸術はどんな意味を持つのか。美学を適用するための倫理を探りながら、日本批評の「否定神学批判」の射程距離をも探る。俊英による日本現代思想の新たな展開がここに!
◎千葉雅也氏絶賛!
博士論文をもとにした著作に、人々の価値観を根底から揺さぶろうとする気合いを込める――今や往年のあり方となりつつあるその禍々(まがまが)しいまでの熱意を、久しぶりに読んだ。芸術と哲学の距離。そして、ものごとの自律性を改めて肯定すること。何もかもをクリエイティブだと言って微笑むようなこの時代に、創造性とは何かをゼロから問い直す。
◎内容
非美学は、批評の条件についての哲学的思考である。
非美学は他者から〈眼を逸らす〉ことの意味を思考する試みである。
--
哲学を「概念の創造」として定義したドゥルーズにとって、芸術を通して概念を創造する批評とは何だったのか――
ドゥルーズに伏在する「言葉と物」の二元論から、今世紀の日本の批評を導いてきた「否定神学批判」の限界に迫る、
俊英による真の現代思想がここに!
--
他者から〈眼を逸らす〉ことの意味は、いかにして思考可能なのか?
われわれの現代思想はここから始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
1
ふむ2024/12/09
め
0
面白かった。決め打ちのテーマと限りなくふわっとした「本当に考えたいこと」に挟まれて身動き取れなくなってる時に読んで、内在的なテクスト読解と大きな問いを往復する道はまだ残っていたんだ!と、哲学プロパーとして励まされた。著者が黙殺されて怒るのもわかるし、郵便本や動きすぎては~が「否定神学批判」みたいなテーマではなく思考プロセスそのもののドキュメントだから面白かったのだということも思い出させてもらった。2024/12/07
ヤ
0
「非美学は他者から〈眼を逸らす〉ことの意味を思考する営みである。」(p363)2024/08/14