内容説明
迫られる攘夷か、開国か――。嘉永六年(一八五三年)六月、浦賀にその姿を現した四隻のアメリカ軍艦。幕府は強大な武力をもって開国を求める艦隊司令長官・ペリーの対応に苦慮していた。清国がイギリスとの戦争に敗れ、世界の勢力図が大きく変わろうとするなか、小姓組番士・永井尚志は、老中首座・阿部伊勢守正弘により、昌平坂学問所で教授方を務める岩瀬忠震、一足先に目付になっていた岩瀬の従兄弟・堀利煕とともに、幕府の対外政策を担う海防掛に抜擢される――。迫り来る欧米列強を前に、新進の幕臣たちが未曾有の国難に立ち向かう。現代へと繋がる日本の方向性を決定づけた重要な転換期を描く幕末歴史小説! 「隠蔽捜査」シリーズをはじめ警察小説の名手が、“薩長史観”に一石を投じる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
200
幕末外交小説。諸外国との条約交渉に奔走する永井尚志らが主人公。老中阿部伊勢守正弘たち上役がお調子者のタメ口で、会話のテンポが良くコメディタッチに感じます。特に目付としての赴任先長崎での活躍が面白い。こういう優秀な人材が日本国のために頑張ってくれたんですね。井伊直弼による安政の大獄で終わりますけど、その後も幕末を生き抜き、大政奉還の立役者となり、箱館戦争まで戦った永井尚志のその後も読んでみたいです。2025/02/22
starbro
191
今野 敏は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者、久々の歴史小説、幕末の若き外交官たちの奮闘記、タイトル通り、爽やかな読後感ですが、少し深みに欠けるかも知れません。この時代、野心と能力に長けた若者たちには、凄く魅力的な時代だったんでしょうね。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/kaifuu2024/09/21
初美マリン
91
黒船とともにペリー来航からヨーロッパ各国との交渉、ゼロからの海軍設立、今まで気にもしなかった場面で奮闘する若者たち、平坦でわかりやすい作品だった2025/06/27
はにこ
73
今まで攘夷側のものを多く読んできたので、外交をしてきた人物の話を読めたのは良かった。海外に媚を売ってと攘夷側に言われて来たけど、外交することで日本の技術を上げて強い国にするという信念を感じた。現代語風で会話が交わされるのですこぶる読みやすい。阿部正弘しか知らなかったけど、堀、永井、岩瀬などにも興味を持った。2025/03/12
雅
70
開国に奔走する若き藩士達。熱い作品でした。2025/06/04
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