内容説明
愛おしい人たちのささやかな前進に涙。滋味に富んだスイーツストーリー。――瀧井朝世(ライター)
累計28万部突破&映画化『オカンの嫁入り』著者、10年ぶりの新作!
インドのガジャルハルワ、スペインのポルボロン、香港の湯丸、バヌアツのショコラ、ポーランドの鳥のミルク、京都の麦代餅……世界のスイーツを通して紡がれる、私たちの優しくて美味しい7つの物語。
(あらすじ)
京都で出会った日本人女性とインド人男性の恋のゆくえ、香港に暮らす日本人マダムとフィリピンからやってきたメイドとの友情、息子を亡くしたシングルマザーがアンダルシアで出会ったもの……さまざまな年代の女性たちの恋や友情の物語。京都、インド、スペイン、香港、バヌアツ、ポーランド。世界のスイーツが彼女たちの人生をほんの少しだけ前に進めてくれる。優しくて美味しい連作短編集。
【著者について】
1967年、大阪府生まれ、プーケット在住。第3回日本ラブストーリー大賞・ニフティ/ココログ賞を受賞し、『オカンの嫁入り』(文庫化の際に『さくら色 オカンの嫁入り』に改題)にて2008年デビュー。他の著書に『ゆうやけ色 オカンの嫁入り・その後』『僕のダンナさん』『オカンと六ちゃん』『ジョニーのラブレター』(すべて宝島社)がある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
104
美しくて美味しそうなピンクの表紙に一目惚れ&衝動買い。京都と世界のスイーツ。好きなものがつまっててワクワクな展開かと思いきや、思いがけない人生の悲しみなども描かれていて奥が深かった。古都京都に異国情緒漂う素敵な一冊でした。 2024/09/12
優希
45
優しい甘さの連作短編集でした。インドのジャルハウワ、スペインのボルボロン、香港の湯丸、バヌアツのショコラ、ポーランドの島のミルク、京都の麦代餅など世界のスイーツを通じて紡がれる物語にほっこり。幸せな気分になれる読書時間でした。2024/12/15
nyanco
34
咲乃月音さん、初読。ピンク色の扉絵がとても素敵。スイーツにまつわる連作短編集。関西出身なので京都弁のはんなり柔らかい表現がじんわりと心に沁みてよいです。最初の話、日本人女性とインド人男性の恋愛、インドならではの国際結婚を認めない風習、インド人男性の母を愛しながらも揺るがない気持ちが素敵でした。香港、スペイン、バヌアツ、ポーランドと各国のスイーツがエピソードの種になり、展開していく様子もとても良かったです。→続く 2024/08/17
もちこ
21
心の内に秘めた狂おしいほどの感情や記憶。 それを落ち着かせたり発露させるために作るおやつ。 幼い我が子を亡くしたスミレの章(第二章 スミレのポルボロン)が、胸が苦しくなるくらい共感し、泣きそうになる。人を亡くした悲しみは、消えることはない。でも、その悲しみと共に生き続ける人の話を聞き、自分の話を聞いてもらうことで、少し気持ちが和らぐ瞬間ができるかもしれない。 そしてそんな時間のきっかけを作るのが、一緒におやつを食べること。 「自分にとっての宝物のおやつってなんだろう」 と思い返してみたくなる一冊。2024/09/01
ベローチェのひととき
19
妻の本棚から借りてきた本。6章からなる連作短編集。各章で語り部が異なる。日本人だけでなく他の国の人も出てきて色々な考えがあり面白かった。インドのガジャルハルワ、スペインのポルボロン、バヌアツのヴォルカンショコラ、ポーランドの鳥のミルク、香港の湯丸等、今まで知らなかった各国のスイーツが出てきて、とても興味深かったです。食べてみたい。2025/03/17