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内容説明
助けを求めることは、「無責任」ではない!
気鋭の哲学者が、日本社会に跋扈する「自己責任」という名の怪物を退治し、
新たな「責任」の哲学を立ち上げる。
頼ることが、後ろめたくない社会へ!
新自由主義を下支えする思想として、日本に導入された「自己責任」論。
しかし、これは人々を分断し、孤立させる。
誰かに責任を押し付けるのではなく、
別の誰かに頼ったり、引き継いだりすることで、
責任が全うされる社会へ。
ハンス・ヨナス、エヴァ・フェダー・キテイ、ジュディス・バトラー、
3人の独創的な哲学者を手がかりに、
「利他」の礎となる、
「弱い責任」の理論を構築する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
125
「自己責任」は2004年の流行語大賞候補らしい。自己責任論と新自由主義が癒着し、この言葉の登場とともに社会が荒んできた気がする。排他性のある「強い責任」に対し、著者はハンス・ヨナスの「弱い責任」を指摘する。「誰の責任か」ではなく「誰に対する責任か」という思考は、ギリアンやキテイの「ケアの倫理」やロールズの正義論を正当化してゆく。自己責任を強調し「社会などというものは存在しない」とサッチャー女史は言い放ったが、多くの人たちが少しづつ「弱い責任」を引き受け、気遣いと連帯が醸成される社会がきっとあると信じたい。2024/10/04
けんとまん1007
63
今、ちょうど、地域おける「ケアネット活動」を、どう進めるかを考え・言語化し、2日後に小さな集まりではあるが、そこで提示することにしている。その中で考えたのは、ケアしながらケアさえれるということ。時間軸を踏まえて考えると、そう思うことが多い。言い古されているかもしれないが、「自分事として考えること」に結び付くと思う。エンパシーにも通じるとも思う。2024/12/01
小鈴
27
荒木優太さんがXでよかったと言っているのを見て読んでみましたが、必読書だと思います。自己責任=新自由主義的な「強い責任」論を、ヨナスを通して「責任」とはなんなのかを掘り下げることで自己責任論を相対化する。「弱い責任」論からケアの理論につなげ、「個」の話にとどまらず社会構想の基礎概念にまで射程を広げる。 自己責任論のもと孤立化した「個」として殺伐とした社会となった今こそ読んでほしい一冊です。平易で読みやすいのも好感が持てる。著者の本を追っかけたいと思います。2024/09/18
タカナとダイアローグ
22
フジテレビドラマ「海のはじまり」をみていて、自己責任で背負い込もうとしている主人公(夏)を、[弱い責任]の繋がりで包摂していく話なのかなと思ってきた。子育ては絶対、自己責任で済ませては無理。親が動けなくなったら、すぐに子どもは死ぬ。自己責任だからと、頼れない風潮を維持してしまうのは、誰にとっても不幸せだから、「弱い責任を選択できる自由を保ち続ける」ことの大切さが本筋。子どもをケアする人(母や父)をケアする「ドゥーラ」っていう概念を初めて知った。コミュニティナースとかも近そう。ケアの基礎づけ哲学。2024/09/13
まゆまゆ
19
社会に蔓延する自己責任論を始めとする「強い責任」という概念に対し、他者を頼ることで責任を引き受ける「弱い責任」という概念を紹介する内容。社会に生きる我々は、誰かを頼らなければいけない人々によって担われている。そう考えると、他者を頼ることと責任をはたすこととは矛盾せず、むしろ責任の主体同士が連携することで信頼される世界のほうが生きやすいのではないか。2025/02/17




