内容説明
この三〇年間、民主党に対してほぼ一貫して少数派の立場にある共和党が、アメリカ政治の決定権を握ってきたのはなぜか。そして共和党はいつから過激派に牛耳られてしまったのか。米ハーバード大学の碩学が、少数派がルールを悪用して政治を支配する手口を暴き、民主主義の危機を警告する。ベストセラー『民主主義の死に方』第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
34
民主主義を守るはずの制度が誰かの特権になる時それは暴力になる、本書が示した反多数決的な制度設計に潜む支配構造だ。しかし再選トランプ政権下、かつての少数派は多数派に転じその内側の一握りの強者が制度を破壊し私物化する、新たな少数派の横暴はDOGE、相互関税、社会保障、生活苦に表象される。ここ数日全米でHands Offデモが起こる。本書が出版時に告発した構図が今や「逆転の寓話」だ。制度は自動では動かない一節は予言を通り越しライブ配信中だ。制度は正義にも暴力にもなり得る。日本でも問われる制度と公共性の現在形だ。2025/03/13
sosking
17
アメリカは、トランプを支持する右派が多数かと思っていたが、実情は全く異なっていた事を初めて知りました。日本より体制的に民主主義としてのルールが確立されていると思いきや、まったく機能していないことに驚いた。また、映画やドラマに登場する様な有権者からの支持率を第一に考えている政治家が共和党に存在し、民主主義を守ろうとした政治家の政治生命が閉ざされている現状に残念な気持ちです。ハンガリーの政治体制の現状にも書かれていて、これにも憤りを感じた。政治には詳しくなかったので、勉強になりました。2026/03/14
さとまる
13
図書館本。タイトルがちょっとミスリードかな。ここでいう「少数派」は単純なマイノリティではなくて、かつてはマジョリティであったが社会の変化によって絶対的多数派ではなくなった白人キリスト教徒男性のことを指す。アメリカの民主主義の歪みを指摘し、政治改革にしろ銃規制にしろ中絶にしろ、いかに彼ら「少数派」が多数派の意見を潰してきたかをあきらかにする。アメリカの民主主義がこんなにも抜け穴だらけとは驚く。ただ、どうしても民主党側からのポジショントークの面も否めず、そこは気をつけないと。2024/12/17
ゆうちぃ
11
翻訳者の濱野大道氏、新潮社さんに大感謝。読むべき本だが原文では語学背景知識が私には無理(笑)。 米が抱える選挙制度、議会、法、司法の問題が説明され暗澹たる気持ちになる。支持されてない少数派が勝つ理由、中絶、銃規制など覆される理由が繋がる。1番心に残ったのは、2つ。①暴力行為に及ぶ集団と結びつく政党の恐ろしさ。②憲法が改正できず足枷になって身動き出来ず民主主義がどんどん蝕まれていること。理想は柔軟性ある制度を取り入れたノルウェーと思った。アメリカ国民1人1人に対する重い宿題が提示されているような気がする。2026/09/27
紡ぎ猫
11
世界に先駆けて民主主義国家を樹立したはずのアメリカで今、民主主義の末期症状を見ているような気がしてならない。世界の民主主義国がたどってきた歴史を振り返りながら、最後には希望を与えるような書き方だけど、ここには書かれていないことがある。AIの台頭、情報の氾濫、特にフェイクニュースの氾濫は、人類がかつて経験したことのない混乱をもたらしている。だから、この先どうなるかは全く予測不可能。引用されていたフリーダムハウスの民主主義評価で、自由の国のはずのアメリカ(83点)は日本(96点)よりも自由度が低かった。2024/10/18




