内容説明
2023年10月、ハマスがイスラエルに対し大規模な攻撃を仕掛け、世界は驚愕した。しかし日本ではハマスについてほとんど知られておらず、単なるテロ組織と誤解している人も多い。ガザの市民の多数が支持するこの組織は一体どんなものなのか。中東ジャーナリストの著者が豊富な取材から明らかにする。
目次
はじめに
第1章 ハマスとの出会い
第2章 インティファーダとハマスの創設
第3章 武装闘争の始まり
第4章 人々を支える社会慈善運動
第5章 カッサーム軍団と殉教作戦
第6章 ハマスのイデオロギー
第7章 ハマスの政治部門
第8章 ハマス支配と封鎖
第9章 カッサーム軍団の越境攻撃
第10章 ハマスとパレスチナの今後は?
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
184
1987年12月9日に創設されたハマス。「イスラム抵抗運動(ハラカ·ムカーワマ·イスラミーラ)」の単語の頭文字の3文字であり、アラビア語で「熱情」を意味します。3つの顔、①イスラム的な社会事業を行う系列の社会組織、②ハマスの立場を外に向けて説明する政治部門、③イスラエルの占領に対する武装闘争を行う軍事部門があることは分かりました。でも、殺人ではなく聖戦、自殺ではなく殉教というスタンスは、受け入れることがどうしても難しいです。2024/12/26
skunk_c
74
ベテランのジャーナリストによる、主に現役時代に取材した内容によってハマスについてまとめたもの。著者はアラビア語を専攻し、1990年代から2000年代にかけて新聞記者・特派員として中東やイスラエルに駐在、たびたびガザなどに足を運んでハマスのリーダーなどをインタビューしてきたとのこと。その経験からハマスを単なるテロ集団とするのは皮相的とする。民衆の支持はハマスが元々ムスリム同胞団系の社会運動組織として活動してきたこと、そして「天井のない監獄」にありながら、抵抗を続ける姿勢にあるというのが大まかな見立てだ。2024/08/14
kan
24
ハマスの詳細を教えてくれるが、読めば読むほどわからなくなった。自爆の形をとる殉教は来世を約束する建前なのか、親はどう受け止めているのか、悲しみを表に出していいのかなど、軍事的な側面と宗教的な側面とが混ざり合うために人々のハマス依存や支持がどの程度のものなのか見えにくい。著者はハマスをただのテロ組織ではないというが、UNRWAのハマス関与や慈善事業の運営も含め、すべてが軍事的・政治的で底知れない。2024/11/28
チェアー
10
この本での収穫はハマスについての精緻な分析だ。ハマスはイスラエルが占領を解けば共存を認めていること。それを認めないならば徹底的に闘い続けること。ハマスの軍事部門はイスラエルと闘うためにあるのであって、パレスチナの民衆を保護するという観点がないことがわかった。 2024/09/27
乱読家 護る会支持!
5
1987年12月パレスチナのムスリム同胞団が「ハマス」の発足を決定。 1993年オスロ合意。 1994年5月オスロ合意により、ガザでパレスチナ自治開始。 2006年3月ハマスによる自治政府内閣が発足。 2018年3月ガザでのデモ「帰還の大行進」。 2021年イスラエルによるガザ攻撃、256人死亡。 2023年10月ハマスのカッサーム軍団によるイスラエルへの越境攻撃。その後、イスラエルによるガザへの大規模攻撃。 2024年6月時点ガザでの死者は3万7000人を超え、子どもの死者は1万5000人を超えている。2024/12/04
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