ソヴィエト・デモクラシー - 非自由主義的民主主義下の「自由」な日常

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ソヴィエト・デモクラシー - 非自由主義的民主主義下の「自由」な日常

  • 著者名:松戸清裕
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 岩波書店(2024/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784000237482

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内容説明

非民主主義的な全体主義国家だったと言われるソ連は,デモクラシー(人民の権力)を重視し,人びとから寄せられる膨大な数の陳情・意見に真剣に向き合っていた.体制に容認された自由と政権の目を盗んで得た「自由」をも謳歌していた人びとの日常を一次史料から丹念に再構成し,ソ連型民主主義の実態に迫る意欲作.

目次


第一章 ソヴィエト民主主義とは何か
第一節 「リベラル」でないデモクラシー
1 自由主義的民主主義と社会主義的民主主義
2 ルソーの思想と社会主義的民主主義
3 「人民の権力」としてのソヴィエト民主主義
4 経済的社会的な民主主義
第二節 本書の対象時期
第三節 理念を実現する努力
1 「女性解放」の努力
2 代議員の努力
3 職責を果たさない代議員
4 代議員の苦労と不満
第四節 ソヴィエト民主主義における選挙
1 競争なき選挙
2 投票する意味
3 投票用紙への書き込み
4 人々の批判と改革
5 代議員のリコール
6 「参加民主主義」としての選挙
第二章 公認された自由は実現されたか
第一節 憲法が保障した自由
第二節 公的回路を通じた「対話」
1 「個別救済の制度化」
2 手紙による訴え
3 苦情を訴える「戦略」
4 面会による訴え
第三節 全人民討議による「対話」
1 「市民の権利と自由の重要な保障」
2 七か年計画をめぐる全人民討議(一九五八――一九五九年)
3 党綱領をめぐる全人民討議(一九六一年)
4 ソ連憲法案をめぐる全人民討議(一九七七年)
5 稀有なほどに中途半端な法律?
第四節 勤労集団による参加
第三章 日常生活における自由と「自由」
第一節 「過度の寛容さ」という「リベラリズム」
第二節 「寄生的生活様式」
1 「反寄生者法」
2 私的な請負
第三節 自由と「自由」の結合――サークル,ロック,ジーンズ
第四節 職場における「自由」
1 人々にとっての職場
2 人々の労働態度
3 職場での連帯と「自由」
第五節 愚行をする「自由」
1 「過度の飲酒」の「自由」
2 何でも飲む「自由」――オーデコロン,変性アルコール,密造酒
第六節 神の名における「自由」
第四章 「偽りの平穏」
第一節 社会秩序維持の努力と限界
1 「共産主義社会に犯罪者の居場所は無い」
第二節 自由時間の増加と違法行為
1 若者の違法行為
2 職業技術学校
第三節 「見せかけの平穏」と「自由」
終 章 ソ連における民主主義と自由
第一節 「ぬるま湯性」と「自由」
第二節 体制に対する人々の意識と態度
1 体制に対する人々の態度
2 世論調査に見る人々の意識
第三節 ソヴィエト民主主義の「遺産」
参考文献
事項リスト
人名リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

19
ソ連型の民主主義とは何だったのかを改めて振り返る。ソ連では西側諸国のような「自由主義」は否定されるが、人々は限られた領域での「自由」を享受したり行使したりしていた。また、人々は不満や要望を国家機関や党機関に伝えることも認められていて、人々と政権の間に擬似的な「対話」が行なわれていた。厳格に中央集権化された統制国家というイメージがある半面、かなりの「ユルさ」が内在していたことが見て取れる。他方で、本書ではあまり触れられていないが、人々の提案や要望を汲み取る努力と汚職との関係性は気になるところ。2025/03/06

KW

1
政府頑張ってる。これは政治の民主主義と経済の社会主義の分離ではなく、経済も政治も同一のテーブルで語った、ソ連型民主主義としたため、経済に対する国民の声を聞いて解決するという構造になってる(革命で作られたので、国民の声大事)。頑張らないといけない設計であった。構造的に女性の権利獲得は積極的に行う要素の一つであった。ペレストロイカ以前に国民の不満爆発ではなく、物資は足りないものの横流しなどで適応してる面もあった。労働時間も短く、ぬるま湯感も伺える。 平等であろうとした時に、ルール逸脱の罰則がどんどん厳しくなる2024/09/07

Go Extreme

1
ソヴィエト民主主義とは: リベラルでないデモクラシー ルソーの思想と社会主義的民主主義 理念を実現する努力 女性解放・代議員の努力 代議員の苦労と不満 自由は実現されたか: 全人民討議・対話 市民の権利と自由の重要な保障 勤労集団による参加 日常生活における自由と「自由」 過度の寛容さというリベラリズム 寄生的生活様式 自由の結合―サークル、ロック、ジーンズ 偽りの平穏: 社会秩序維持 自由時間の増加と違法行為 見せかけの平穏と自由 ソ連における民主主義と自由: ぬるま湯性と自由 ソヴィエト民主主義の遺産2024/08/20

horada

0
****2025/02/16

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