内容説明
非民主主義的な全体主義国家だったと言われるソ連は,デモクラシー(人民の権力)を重視し,人びとから寄せられる膨大な数の陳情・意見に真剣に向き合っていた.体制に容認された自由と政権の目を盗んで得た「自由」をも謳歌していた人びとの日常を一次史料から丹念に再構成し,ソ連型民主主義の実態に迫る意欲作.
目次
序
第一章 ソヴィエト民主主義とは何か
第一節 「リベラル」でないデモクラシー
1 自由主義的民主主義と社会主義的民主主義
2 ルソーの思想と社会主義的民主主義
3 「人民の権力」としてのソヴィエト民主主義
4 経済的社会的な民主主義
第二節 本書の対象時期
第三節 理念を実現する努力
1 「女性解放」の努力
2 代議員の努力
3 職責を果たさない代議員
4 代議員の苦労と不満
第四節 ソヴィエト民主主義における選挙
1 競争なき選挙
2 投票する意味
3 投票用紙への書き込み
4 人々の批判と改革
5 代議員のリコール
6 「参加民主主義」としての選挙
第二章 公認された自由は実現されたか
第一節 憲法が保障した自由
第二節 公的回路を通じた「対話」
1 「個別救済の制度化」
2 手紙による訴え
3 苦情を訴える「戦略」
4 面会による訴え
第三節 全人民討議による「対話」
1 「市民の権利と自由の重要な保障」
2 七か年計画をめぐる全人民討議(一九五八――一九五九年)
3 党綱領をめぐる全人民討議(一九六一年)
4 ソ連憲法案をめぐる全人民討議(一九七七年)
5 稀有なほどに中途半端な法律?
第四節 勤労集団による参加
第三章 日常生活における自由と「自由」
第一節 「過度の寛容さ」という「リベラリズム」
第二節 「寄生的生活様式」
1 「反寄生者法」
2 私的な請負
第三節 自由と「自由」の結合――サークル,ロック,ジーンズ
第四節 職場における「自由」
1 人々にとっての職場
2 人々の労働態度
3 職場での連帯と「自由」
第五節 愚行をする「自由」
1 「過度の飲酒」の「自由」
2 何でも飲む「自由」――オーデコロン,変性アルコール,密造酒
第六節 神の名における「自由」
第四章 「偽りの平穏」
第一節 社会秩序維持の努力と限界
1 「共産主義社会に犯罪者の居場所は無い」
第二節 自由時間の増加と違法行為
1 若者の違法行為
2 職業技術学校
第三節 「見せかけの平穏」と「自由」
終 章 ソ連における民主主義と自由
第一節 「ぬるま湯性」と「自由」
第二節 体制に対する人々の意識と態度
1 体制に対する人々の態度
2 世論調査に見る人々の意識
第三節 ソヴィエト民主主義の「遺産」
参考文献
事項リスト
人名リスト
感想・レビュー
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