内容説明
東京の“原形”はどのようなものであったのだろうか。本書はまず、日本列島という「く」の字形の島国におかれた東京の地理的位置と、大型河川=利根川水系の谷間にひろがった関東平野という自然環境上の原風景に着眼する。そこからいかに、運河都市・江戸へと発達していくのか。鎌倉時代以前から東京湾地域に活動したひとびと、江戸城と江戸の町の建設プロセス、その途上で消えた「江戸前島」など、水辺を中心に据えて読み解いていく。東京史・江戸史の大家が史料と博識とを存分に注ぎ、川と海の役割を追う一冊。地図多数。
目次
はじめに/I 日本列島のなかの東京/II 東京湾と利根川水系 環東京湾地域の原形/III 東京の四つの水系/IV 東京湾をめぐる人々/V 品川から江戸へ/VI 江戸前島ものがたり 運河都市の成立/VII 江戸の都市計画/VIII 大江戸と東京/IX お台場時代/文庫版解説 いくつもの「原形」の上に──鈴木理生の隠れた代表作 髙橋元貴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
江戸という都市の成立を、主に水運の立場から明らかにした一冊。家康の江戸改造というとまず河川の改修が挙げられるし、埋め立てによって江戸は拡大していったという点から、江戸と水の関係の重要性は理解してた積りだけど、専門的に語られると理解が浅い事を痛感。収録されている本論も面白く、日本列島の形と水運からまず入り、次いで消えた前島だとか初期江戸がこの形になったのは上下水道に合わせたから、等のテーマが次々に出てくる。江戸の文化をテーマにした本は多いけど、その下にある地層みたいな部分に注目させられる一冊でした。2024/10/03
てつ
27
1988年刊の本の文庫化。知ってるつもりだった徳川幕府成立前からの江戸の都市としての発達史。太田道灌の前に「江戸氏」という武士がいたことを始めて知る。2024/05/18
Go Extreme
1
都市・社会の変化を忠実に反映して変化し続ける→原形にこだわる 時間と空間の隔たり→人間の発想にはあまり変わりなし アツ゚ミ族=アマベ族→塩と塩気の流通 東京4水系:江戸川・利根川・荒川・綾瀬川 自然堤防:中・大・凡曽根 人間社会と川の関係→一族が河流に沿って社会的分業 江戸氏:本拠地は平川の河口 近代都市江戸:意図的・継続的に海に向かって陸地拡大 日本のモノカルチャ・単一文化性:水運→鉄道→自動車 都市:不安定・流動的が常態 高い道路率→大江戸の人口120万 東京の一極集中←単一文化性ゆえ解決されず2024/05/15
家の中のぱっぽ
0
読むのに時間をかなり割いたが、古地理学や過去の自然環境復元の参考としては申し分なかった。読んだだけでは足りず、いくつかの項目をもう少し深掘りして学んでいくと面白いと思った。本書は古代から中世にかけての江戸、東京に造詣が深く、特に江戸時代はかなり奥が深い。個人的には古代の江戸、東京に興味があったので参考になった。2025/07/14




