内容説明
迷わず読めよ、読めばわかるさ
レイザーラモンRGの「あるあるネタ」はどうしておもしろいのか。「飾りじゃないのよ涙は」という倒置はなぜ印象的なのか。猪木の名言から「接頭辞BLUES」まで縦横無尽に飛び回りながら、日常にある言語学のトピックを拾い出す。抱腹絶倒の言語学的総合格闘技、Round 2スタート!
【主要目次】
この本を手に取ってくださった皆様へ
1.生産者の顔が見える原稿
2.言語版SASUKEに挑む
3.言葉に引導を渡す者
4.あるあるネタはなぜ人を笑顔にしがち♪なのか
5.最高にイカすぜ、倒置は!
6.悪い言葉の誘惑
7.【コント】ミスリーディング・セミナー
8.2023年も“行けばわかるさ”
9.【創作】言語モデルに人生を狂わされた男
10.話題のAIをちょっと真面目に解説してみる
11.【創作】メトニミーのない世界
12.日本語は「世にも曖昧な言語」なのか
13.重言パラダイス
14.日本語は本当に「非論理的な言語」なのか
15.【コント】接頭辞BLUES
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
114
「聖者のかけら」のような本格小説を書き、言語学者として専門書を著し、そして、言語をテーマにこんな楽しい文章を書く。川添さんの多才さには畏れ入る。前巻に続いて、今回も楽しませてもらった。倒置法、ミスリーディング、換喩、重言、接頭語など、言語に関する多様な話題が取り上げられるが、表題のプロレス・ネタを筆頭として、コント、漫才、漫画などの身近な用例が巧み。それらの分野に全く関心のない私でも、十分に笑える。最後に「日本語は曖昧な言語」「日本語は非論理的」という思い込みを否定して、日本語の奥深さに気付かせてくれる。2025/03/18
R
82
より、言語学とはなんぞやに軸足をおいて、ちゃんと言語学的読み物になっていたのがよかった。しかし、その分プロレス分が少なく感じて寂しかったんだが、そもそもプロレスの本じゃないということを忘れてしまいがちだと思うところ。著者がちゃんと研究者であるため、書いている面白文章はさておき、反省や研究成果をちゃんと盛り込んでいるのが面白くて、言語学の領域における分類みたいなのも垣間見れて大変楽しい。そこに加えて、猪木に対する熱い想いと葛藤が、とてもよい文だけど笑ってしまった。語っていいんだよ、あんたわ。2025/04/16
けんとまん1007
61
やはり言語に興味は尽きない。あまりも身近過ぎる存在でありながら、どこまで行っても追いつけないもの。それが言語なのかなと思う。時と共に、どんどん変化していくのも要因の一つ。また、100人100様の表現・解釈というのも一つ。それにしても、抽斗の多彩なことかと感心しきり。一見、楽し気な文章の奥に秘められたものが奥深い。2025/03/25
venturingbeyond
57
『UP』誌に連載されたエッセイに書き下ろし3編を加えた『バーリ・トゥード』第2弾。前作のインパクトに比較すると少々パワーダウンという感じもするが、著者のネタのチョイスや書きっぷりは、私を含む同世代の琴線に触れること間違いなしで、前作に続いて楽しく読了。倒置やメトミニーなど、言語学ど真ん中のテーマも面白かったが、『悪い言語哲学入門』の著者・和泉悠先生とのトークイベントを枕に始まる「悪い言葉の誘惑」がツボ。お笑いに、プロレスに、武田鉄矢主演映画(未視聴)と、この一編で満腹にになること請け合いの傑作(怪作)。2024/11/17
pohcho
55
言語学者のエッセイ第二弾。今作も面白かった。倒置法かっこいいなあ。猪木と藤波の「やれるのか、お前、本当に」 「やりますよ。もっと信頼してください、俺のこと」というやりとりなんてほとんど漫画の台詞みたい(使ってみたいけど、自分が使えるかどうかは謎)ドラマ「ヨーロッパ特急」は知らないけど「タコ」が興味深い(そういえば最近あまり聞かないかも)。お笑いは不案内だけどRGさんのあるあるネタは知っていたので、取り上げられて嬉しい。最後の接頭辞コントも面白かった。劇画調の挿絵も好き。次作も楽しみー。2024/09/27