内容説明
増え続ける生活保護受給者。生活保護制度をやさしく解説するとともに、受給者や生活保護に係わる人々の「ありのまま」の姿を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
80
経済的に豊かな国「ニッポン」と言いながら、国の借金が膨大で、社会的貧困も深刻だ。相対的貧困率16.1%(2012年)の国民が、貧困線でいう年間122万円以下で暮らしているという実態。単純計算でその数約2000万人。生活保護の数字はというと、昨日発表されたように生活保護受給者216万4145人、世帯数で163万5393。受給世帯の50.8%が65歳以上の高齢者が占め、そのうち単身世帯が9割に上る。高齢者だと、自立に至る就労はほぼ期待できない。貧困者の生活保護受給者の年次推移がほとんど変わっていないのは、これ2016/06/02
こばまり
51
何も持たざると判定されると憲法第25条で規定される生活が保証される仕組みだがこれすなわち、ストックがなくフローのみ。有形無形のストックなくして日々を送ることが如何に辛いかという一文にすとんと納得できた。2018/09/23
崩紫サロメ
29
2013年5月、生活保護の申請が極めて困難となる生活保護法改正案が閣議決定された。そのことを受け、生活保護の実態を伝え、様々な偏見を払拭しようと試みたもの。「働けるのに働かない」と言われるが、働いても収入が極めて低い、精神疾患を患い、職歴にブランクができてしまったケースなど。また医師によるカルト宗教並みのハラスメントも行われているなど、貧困ビジネスについても触れられている。2022/07/13
AICHAN
28
図書館本。「生活保護制度には誤解が非常に多く…誤解に基づく批判や議論も多い…日本で最も誤解されている制度であるかも」。例えば「私たちの税金で働かずにのうのうと暮らしてる」という批判(しかし受給者は「困窮」が証明された者であり「のうのうと暮らしてはいない」)。「失敗すること敗北することは自己責任で招いた結果…資本主義の社会のもとでは当然であり、好もしいとみなされる…何とかならないのは頑張らなかったからという文化」(困窮の多くは自己責任ではない)。そうした社会の中で生活保護受給者が蔑まれる。2016/05/16
あじ
27
止むを得ない理由で生活保護受給者となった人達の例を挙げながら、広く理解を求めようとする内容です。憲法25条の生存権を生きるには金額にしてどのくらいが妥当であるか、更に文化的な生活を営むには現状では無理がある……と窮状を訴えています。故障した電化製品を買い換える少額の貯金もなく、真冬に灯油を節約し寒さに震え、たまにケーキが食べたくとも"贅沢"であると戒める。生活保護である立場を自覚している人程、追い込まれギチギチな生活を営んでいるのだと知りました。2013/09/07
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