内容説明
脚本家を夢見て劇団に所属する岩崎凜と、居場所を失った高校生・松田英治。映像作家のトップランナーである宮部あきらと、その熱狂的なファンの富永早苗。そしてSNSから突如ブレイクしたバンド・ブルーガールと、彼らが引き金となる「ある事件」。別々の道を歩んでいたはずの人生が交差するとき、数奇な運命が動き出す――。迷い、悩み、嫉妬し、決断をしては傷つき合う、激情なる恋と世界に隠された理不尽を描いた群像劇。『明け方の若者たち』で鮮烈な小説家デビューを飾った著者の第二作。川谷絵音との文庫版対談を収録。《解説・柴 那典》
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羽花
1
indigoが好きなので読んでみた。なかなか重いお話だけれど綺麗にまとまっていてすごい。カツセマサヒコさんの新刊のブルーマリッジ気になっている。2024/09/24
潜水艦トロイメライ
1
なんの情報もなしに購入し、あとから曲をベースに作られた長編と知る。恋愛模様の移ろいも魅力ながら、かなり重く苦い末路に、読んでいる最中何度も本を閉じた。どうして同じ匂いのする人間同士で出会って結ばれて、綻びが出来てしまうのか。悲哀でもあり、同時に創作者の心理にも深く切り込んでいる。若手バンドマンと天才映像クリエイターの苦悩と葛藤、受け入れてほしいと願う気持ち。またそれを支える人の存在。あっさりした文章からどろどろと流れ出る熱さや人の性みたいなものに触れた気がする。このあと曲も聴いてきます。2024/09/01