内容説明
元中学教師の恭輔は10年前から認知症に、ここ4年は在宅介護を受ける身だ。96歳で亡くなる3週間前、家族と介護士、看護師はどのようにかかわる? 誰もが迎える最期に何が必要? 恭輔が愛した小林一茶の句にある庶民のリズムと見捨てない温かさに包まれた、老衰介護看取り小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
141
「老衰介護看取り小説」とある。96歳の父を看取るまでの二十日間を描く家族の物語。この父親は幸せだっただろう。なかなか家での看取りは難しいよ。母親は完璧に家を家族を仕切って来たのだろう。仲の良い家族だと思う。それでもだ、紛れもなくその母も高齢者なのだ。頼りになる娘二人、息子は金銭的に援助していて母親はこれまた幸せだろう。親身になってくれる近所の施設や看護師長等々、羨ましいさが一杯で正直ちょっと僻みたくもなる私がいた。最後の最期まで上手く行きすぎなのだ。いつか来るその朝を思ってしまう読後だった。はぁ。 2024/10/28
pohcho
58
96歳、認知症の父親が家で亡くなるまでの二十日間。専業主婦の妻と独身の長女。遠くに嫁いだ次女も頻繁に帰ってきてくれる(しかも、義父の介護経験があるからすごい戦力)末っ子長男は何もしないけどお金は出してくれて、家族協力しての在宅介護の日々。面倒みてもらうのを当然のように思う父と割り切れない思いを抱える娘。トイレの話などはかなり悲惨だったけど、つらいだけではなくユーモアがあってよかった。小林一茶の句が優しくて和む。住み慣れた家で家族に看取られて。今時こんな幸せな最期はなかなかないんじゃないかと思う。2024/09/04
🍀sayuri🍀
40
96歳の父を看取るまでの20日間を描いた物語。誤解を恐れずに言うと、読後真っ先に感じたのは羨ましさ。認知症患者を支える大変さも、気が休まらない在宅介護も、それはそれは大変そう。けれど85歳の母をサポートする姉妹、金銭面で協力する長男。家族のみならず優秀な看護師と介護士までが手厚くサポートしてくれる。老老介護が社会問題となっている今、これだけの助け手がある事がまず幸運だと思う。深刻な状況下だが女性陣の能天気な会話が笑いを誘う。家族全員に見守られながら逝った父親も看取った家族も幸せな時間だっただろうと思えた。2024/08/31
さぁとなつ
27
ほぼ死んだように眠っている恭輔(96歳)の内部で何が起こっているのか? 10章構成の本書 各章のはじめには、恭輔の記憶か夢うつつか、いろいろなシュチュエーションが出てくる それがとても興味深かった 一茶の句と絡めてあるため、をかしあはれかなしの味付けが感じられ心に染みた 2026/01/03
信兵衛
21
介護ストーリーの所々で、小林一茶の句が引用され、一茶の老後も語られますが、それが息抜きともなり、家族の和気藹々とした雰囲気を醸し出していることに、ホッとさせられます。 私たちの今後を予想させる内容であり、その点がお勧めです。2024/09/07




