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内容説明
その生きにくさ、ひとりで抱えなくていいのかもしれません-ー。
2つの3人家族が始めた共同生活。でもあっちの家族にいたのは、となりのクラスの変わり者で…!?
野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞、小学館児童出版文化賞受賞の椰月美智子が贈る、人生の賛歌。さあ、“あたりまえ”の先へ!
●著者紹介
椰月美智子
1970年神奈川県生まれ。2002年『十二歳』(講談社)で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。07年『しずかな日々』(講談社)で野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞。17年『明日の食卓』(KADOKAWA)は神奈川本大賞を受賞し、映画化もされた。20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(小峰書店)で小学館児童出版文化賞を受賞。その他の書籍に『十四歳の水平線』(双葉社、講談社青い鳥文庫)、『ともだち』(小学館)など多数。
●あらすじ
主人公・美琴は、シングルマザーのお母さんとおばあちゃんと暮らしている中学1年生。
ある夏、お母さんがかつて同級生だった朱美さんと再会し、古い家を買って一緒に住むという計画を突然発表します。
お母さんはこんな勝手な人ではなかったはずなのに……。
どんな人たちなかよく知らないまま、共同生活がスタートするのですが、紹介されたのは、すこし変わった人として名を馳せるとなりのクラスの子。
でも、6人で一緒に暮らす中、いろんな“あたりまえ”が色あざやかに変わっていくのです……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
165
心の中の黒い私が「こんな共同生活が上手く行くはずない!」と言い、白い私は「いいじゃない。こんな暮らしがあったって」とせめぎ合いつつ読んだ。そう、ツッコミどころはあるのだ。だが、それぞれのキャラが愛おしくて(特に祖母・節子と友人・ひなた)美琴と野々花の関係も好い。そして何よりこのタイトルの意味が素敵だ。2024/09/19
のぶ
125
シングルマザーの母と、おばあちゃんと同居している中学生の女の子が、再会したばかりの母の友だちとその家族との女ばかりの6人暮らしを始める。母の友達の家族には変わり者とされる隣のクラスの子がいて…という物語。2つの家族が少しずついい具合にバランスがとれていく様子が愛おしく思えた。欠けている部分を人生経験だったり、得意分野を生かしたりで上手に補いあっていく感じ。児童文学という印象で、小学校高学年が対象かと思われるけれど、自分が読んでも作品の温かさは十分に感じ取る事ができた。たまにこんな本を読むのも新鮮です。2024/08/22
☆よいこ
105
YA。家族の物語。大沢家は祖母の節子、母の響子、中学1年の美琴の三人で暮らし。そこへ、節子が元同級生の朱美さん一家と暮らしたいと言い出した。朱美さんと朱美さんの娘の美琴、孫の野々花(ののか)が加わった女6人でリフォームした一軒家での二家族同居が始まる。美琴と野々花は同級生で、美琴は野々花を変人で苦手だと思っていた。けれど一緒に生活していくうちに次第に6人は家族になっていく▽シスターフッドな物語で、男は出てきません。「家族の形はそれぞれ」家族の最終形とか理想形って無いのかも。いいお話でした。2024.8刊2024/10/21
hirokun
97
★3 椰月美智子さんの作品を読むのは二冊目。今回の作品も中学生向きの作品だと知らずに手に取った。途中で読むのを止めようかとも思ったのだが、面白い設定に引っ張られてアッという間に読み切った。家族って何だろうと考えさせられる部分もあるし、ミカン=未完の家族というテーマ設定にも、椰月さんらしい優しさも感じながら読み終えた。2024/09/11
Ikutan
89
中1の美琴は祖母と母親の3人暮らし。ある日突然、お母さんが、中学時代の友だち朱美さん家族と一緒に住むと言い出した。早くに出産した朱美さんは、娘と孫の3人暮らし。それから、古民家をリフォームした家での同居生活が始まったのだが、何と!朱美さんの孫は美琴と同級生。爬虫類が大好きな変わり者の野々花だった。多感な年頃の美琴の心の動きを丁寧に描き出す。初めはギクシャクしていた野々花との関係にも少しずつ友情が芽生えて。後半、突然同居に至った理由も明らかに。みかんはそういう意味もあったのね。児童書かな。大人にもおすすめ。2024/09/25