内容説明
直木賞&高校生直木賞受賞『渦』の続編
近松半二「妹背山婦女庭訓」が生んだ熱。人形浄瑠璃に魅せられた人々の喜怒哀楽と、人間模様を鮮やかにいきいきと描く群像時代小説。
※この電子書籍は2021年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
159
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。大島 真寿美、4作目です。直木賞&高校生直木賞受賞『渦』の続編、人形浄瑠璃に魅せられた人々の連作短編集です。 オススメは、『水や空』&『硯』となります。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167922573?utm_source=books_sp&utm_medium=cpa&utm_content=uzu2024/10/11
Shoji
31
江戸時代、文楽「妹背山女庭訓」は空前のヒット作となり、作者の近松半二は大スターとなった。半二に憧憬を抱く者たちは、第二の半二を目指した。しかし、夢の実現は紆余曲折だ。歌舞伎が性に合った者、同じ文楽の世界でも太夫の才能を開花させる者、絵師を志した者など様々だ。芸術の世界は一筋縄ではいかないようだ。一つだけ言えることは、大成を成すには、まず「好きこそ物の上手なれ」と言うことらしい。史実と創作をうまくミックスさせた物語のようです。とても面白かった。読み終えて今、国立文楽劇場の次の公演を検索中です。2024/09/05
ユメ
16
前作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』では、操浄瑠璃の魅力に取り憑かれた人々の熱狂の坩堝が、浄瑠璃の演目中で描かれる登場人物たちの心情と結びついてさらなる興奮を生む、人間の感情の渦に圧倒された。今作でもその渦は見事に描かれつつ、浄瑠璃に魅了された者同士の縁が絡まり合ってゆく様が活写されている。「この世のからくりておもろいな」「この世のからくりの糸、いうのんは、縁の糸でできてんのかもしれへんな」という台詞が印象深い。人の世の怖さと面白さを存分に感じさせてくれる作品で、くらくらと酔いしれた。2025/08/21
ごへいもち
11
渦を先に読むべきだったかと思ったけれど渦は積読にしていた。もう一度トライしてみよーかなぁ2025/05/12
opika
8
浄瑠璃作者である近松半二の半生を描いた前作は心を揺さぶられるような、物語の渦に巻き込まれてしまうような読書体験だった。今作は半二亡き後、縁のある人々の群像劇。実際の人物や史実をよく調べられていて、本当のところはわからないけど、今につながる大作が生まれた背景にそんなことがあったかもしれないよなぁと不思議とその情景が目に浮かぶようだった。しばらく文楽鑑賞できていないけど、また行きたくなった。2025/11/01
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