内容説明
山手線が転生!? 21世紀前半、地球に強力な謎ウイルスによるパンデミックが蔓延、人類は密集生活でつねに感染の怖れのある都市文明を放棄して世界各地に散らばり、すべてリモートで生きる道を選んだ。つながりたいだれかと遠く離れているのが前提の世界で、ひとはどう生きるか。何を大切にして生きていくのか。その姿を奇想天外な発想とユーモアで優しく描く傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
160
6話短篇+おまけの何か。連続した未来世界で緩〜く繋がっているよ。そして表題作は連作になっているんですね。SFはこんな表現も出来るんだなぁ( ˘͈ ᵕ ˘͈♡)。人知れず暗黒物質人、ダークエネルギー人が、地球に近付いているのだけど、地球に手を出すのを止める理由がこれまた素敵なんですよね。宇宙の理を探究する精神は尊く、全宇宙共通なんだなー。全篇、科学に対しての愛と敬意を感じるよ(*˙˘˙)♡。『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』は雑誌Newtonの科学名著図鑑にも載ってたな。これは読むしか無いか。2024/09/14
小太郎
33
松崎さんのベストだと思います。「シュレーディンガーの少女」も良かったけど。7編の連作短編と付録として作中年表(これが凄いんだ)初めは山手線を粒子加速機として再利用しAIの人格を与えるって、バカSFかなと思ったら。その過程がその後の短編共々恐ろしく綿密な未来史に則った話なんです。バカSF(ちなみにバカSFは大好きで誉め言葉)ではなく、私の好きなフェルミのパラドックスを含めガチガチのハードSFではありませんか!パンデミックによって分散してしまった人類の未来史はホントに目から鱗の読ませるSFでした。★4.52024/09/05
信兵衛
13
まさか、こんな壮大なスケールをもつ、宇宙史に繋がる短篇集だったとは! 是非お楽しみに。2024/09/13
ミネ吉
12
山の手線が転生して加速器になったら。自分は文系卒で知りようもないけど、物理学の研究室ではこんな感じのジョークが日々飛び交っているのかな。作品はそれなりに面白いけれど期待してたほどは笑えなかったというのが正直な感想。自分の知識不足で科学ネタがわからないというのが一番大きいが、山の手線はじめ登場人物(およびAI)たちの、コメディタッチの軽い口調があまり肌に合わなかったのもある。もっと堅い感じの方が設定のバカバカしさとのギャップで笑えるんじゃないか、などと思ったり。でも、発想は好きなので他の作品も読んでみたい。2024/09/13
ミーホ
11
ミダコかわいい~このファーストコンタクトのシチュエーションがすごくいい!!天文台勤務の人の「こんなにおもしろい時代に生まれて幸せです」が印象深い。そしてラストの年表が胸熱!!面白かった!!2024/09/05