内容説明
他に類を見ない特殊な構造を持つ唯一無二の小説ジャンル〈本格ミステリ〉。その特殊な
構造を解析し、その特殊な構造が生まれた理由を考察した評論書!
作品を考察する場合〈何を=テーマ〉、〈どう描いているか=舞台や人物〉だが、本格ミステリの場合〈何を=トリックやプロット上の仕掛け=奇想〉、〈どう描いているか=叙述〉に加えて〈どう解き明かすか=推理〉が加わる。奇想、叙述、推理を本格ミステリの構造に組み込んで解析した評論書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
125
序章にある通り本格ミステリとは「奇想と推理を叙述することに徹した小説」だ。他の文学にはない約束事だけに、この三点がうまく融合しなければ高評価は得られない。なのに愛読者ほど密室やアリバイ、偽装や叙述などトリックを偏愛し、そのデータベースを構築してきたため過去の評論では問題の三点を分けて批評するのが一般的だった。著者は古典から近作までの諸作品を多数分析し、優れた本格ミステリの成立には読者が「総合的な構造批評眼」を持つ必要性を提唱する。ポー以来のすぐれた本格物を生み出したのは、読者の厳しい眼差しの成長であると。2024/09/24
ハスゴン
25
とても分厚く持ち歩きには不便ですが、年末年始が近づくのでたっぷりと本格ミステリを味わうのにはもってこいです。 いつもながら読みやすい文章ですね。2024/12/03
だるま
18
純粋に本格ミステリだけを解析した評論書。冒頭が「奇想」の章で、カーから始まり高木彬光に移る。この流れだけで著者を信頼したくなる。構造そのものの解析なので、ネタをバラす必然性があり、犯人もトリックも明らかにしている(事前に注意書きがある)。だから入門書では無く、ミステリをかなり読んでいる人向けの本だろう。あまり評論で取り上げられない芦辺拓、大山誠一郎、深木章子らに多くのページを割いているのが嬉しかった。クイーンの『ローマ帽子の秘密』の分析が見事。私は読み込み不足だったと気づかされた。近年の評論書ではベスト。2024/12/10
なつみかん
6
そのトリックDB(データベース)を前にして、今からこのミステリーの世界に挑む若い方々はどう思うのだろう?膨大な謎の量に歓喜し震えるのか、それとも、到底辿り着けぬと歯噛みするのか?2025/08/08
ともりぶ
4
本格はそんなに読んでないので拾い読み。確かに読者側も無意識にトリックデータベース作って過去作を検索しながらあれこれ推理しながら読んでるな。2024/12/07
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