内容説明
政治家や官僚の劣化、少子化による人口減少、膨張する財政赤字、上昇しない実質賃金、インフレによる生活苦……現在の日本社会が停滞している原因は、どこにあるのか? 常に政治改革の中心で活動してきた政治学者が、日本の「失われた50年」を分析。令和の時代にふさわしい新しい政治のあり方を考え、提言する。枝野幸男氏(立憲民主党)との対談も収録!
目次
第一章 今、日本に何が起こっているのか?
第二章 高度成長終了後のもう一つの道
第三章 バブルの絶頂から見た未来像
第四章 最初の政権交代をめぐる希望と挫折
第五章 自己責任時代への転換
第六章 構造改革をめぐる狂騒
第七章 民主党政権は何をしたのか
第八章 アベノミクスと戦後日本の終わり
終章 特別対談 枝野幸男×山口二郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
30
☆☆☆★ 失われた50年の要因を鋭く分析。正常性バイアスの国日本。1979年「ジャパンアズナンバーワン」(終身雇用制の肯定)。「パンとサーカス」(生産に従事しない人間の増加による財政悪化)。増税を正面から掲げず「見えない税金化(レントの制度化)」。消費税の否定は税制改革ならず。橋本行革により経済財政諮問会議が設置。消費税率引き上げが福祉国家の政策享受につながるという新しいモデルを実現できなかったのが野田民主党政権の痛恨事、アベノミクス三本の矢「金融緩和・財政出動・成長戦略」は的だけ変わり矢は放たれず。2024/08/20
Mc6ρ助
21
目から鱗がボタボタ落ちて、ガッテン・ガッテンもいっぱいあったけど、白眉は3.11を境に日本人の社会に対する満足度が急上昇、豊かさや充足感よりも平穏無事これ名馬になっちゃった(p25)ってこと。beforeアベは(失敗も多いけれど自民党も含めて)政治家たちはいろいろ足搔いてきて見える一方、電通感丸出しキャッチコピー羅列のアベノティクスにもの申さぬ我々は(客観的に見て)痛々しい(p216)。お隣で台湾有事と騒いで台湾にご迷惑を懸ける未来がほの見えてしまう(p250)。これは好書、合掌。2024/09/17
coldsurgeon
12
1973年の第一次オイルショック後の日本の政治と経済の混迷を検証する。民主主義という政治制度において、民意が常に万能であると想定されているわけではない。社会に対する不満は、問題を解決し、状況を改善しようという意欲の源になる。そして現状を批判できない心性とは、自己愛や事故等すりである。失われた50年をしっかりと見つめなくてはいけない。政治主導の大前提として、政治指導者・政策決定者が明確な意思を持つ必要がある。しかし、明治時代以降に横たわる「無責任の体系」という日本社会の構造が問題だろう。誰も責任を取らない。2024/09/28
武井 康則
12
田中政権の後三木政権から大平政権ではそれぞれ、好景気の後の生き方について見識ある意見を持っていたがドルショック、オイルショック等の後始末で取り掛かれず、中曽根が登場する。日本の未来への展望がなくその場の処理のみの人物で、それ以降自民党の政治家は集票と利権の政治屋に成り下がる。小泉に思想なく、民主党に思想を語る口はなかった。そして安倍の登場。著者がリベラルで反自民の立場だからすべてを鵜呑みにはできないが、それでも日本に未来はないようだ。2024/09/18
TAKA0726
10
GDPで韓国が日本を追い越したのは、韓国が為替切上げに走らず輸出競争力強化で輸出依存も、日本は安倍政権下で円安で輸出企業の利益を増やした「たぶん大丈夫」の正常性バイアスの国の日本は危機を回避する行動を取らない。維新はナショナリズムの尊重、経済競争の奨励、自己責任、個人の自立より社会集団の秩序の押し付け等、右派ポピュリズムの典型例。面白いのは立憲枝野氏との対談、岸田首相はやりたいことが何も無い、支持率が低いのは世論調査の精度が悪い、コロナで何をやろうか分からない野党だから上がらないが最近ようやく気がついた。2024/08/19




