内容説明
講談社ラノベ文庫新人賞《優秀賞》受賞作
就職して二年目のサラリーマン佐藤康介。ある日、自分のアパートに帰ってくると、知らない女子高生がやってきた。
「あたしの名前は河嶋黒葉。康介の同僚の河嶋涼葉はあたしの姉よ」
会社の同僚の妹だという黒葉は、猫になってしまったと康介に告げる。そして、黒葉のことを人間だと認識できるのは康介だけらしい。
「大人だったらこれくらいパパっと解決できるでしょう?」
「できるか!」
「えー、この人使えないんですけど」
サラリーマンと猫になってしまったJKの奇妙で騒がしい同居生活が始まる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
31
話を破綻させない為のご都合主義はありつつも、黒葉が他人から猫に見える呪いの理由や康介だけが黒葉のことを人として観測出来る理由はしっかりしていて。そんな中で行方不明になった黒葉を康介が匿っているんじゃないかと疑う涼葉が証拠を集めていって康介を追い詰めていくも、男慣れしてない所為で緊張感があるようなないような展開は微笑ましく、3人の関係がどうなるのか続きが楽しみです。2024/08/18
よっち
27
就職して二年目のサラリーマン佐藤康介。ある日、自分のアパートに帰ってきた彼が、見知らぬ女子高生・河嶋黒葉と遭遇して突然始まる同居生活。同僚・河嶋涼葉の妹と名乗る黒葉から、猫に呪われて康介以外には黒猫にしか見えない事情を明かされ、仕方なく始まった同居生活。家出状態の妹を心配する涼葉もフォローしながら、猫神の呪いを解くために一緒に試行錯誤する展開で、ドキドキが空回りする同棲生活も描きながら、そもそもの原因自体も行き違いのようなものでしたけど、複雑な事情を抱える姉妹のために覚悟を決める康介がカッコ良かったです。2024/07/31
真白優樹
15
社会人二年目、同僚の女性と助け合いながら頑張る青年が猫になってしまったと語る同僚の妹に絡まれ始まる物語。―――その二人の為に何を出す、そこに何の意味を込める? 今時のJKらしい妹に振り回されつつ彼女に起きた事態の原因を探っていく物語であり、ちょっと不思議な日々の中に独特の温かさがある物語である。解決のために失われてしまったものがある、それでも残ったものがある。覚えている限り続けられる。その思いを胸に改めて始める二人の関係。その先にきっと、希望が待っていると信じて。 うん、面白かった。2024/08/08
椎名
13
女性と猫には優しくするように、という母親の奇妙な言いつけを守って生きてきた主人公が、ある日猫の呪いをかけられたJKと遭遇する。一時期からよく見るようになった社会人とJKものだが、頼れる存在が「自分の姿が人間として見える相手」に限定されてしまう状況だからこそこの同居生活もすんなり納得できる。主人公のように加護を持った人間は他にもいそうだが、偶然それを知ることも難しい。主人公も日記のような形で何か残していれば……と思ってしまう結末ではあったものの、それでも前向きで気持ちの良い読後感だった。2024/08/04
leo18
10
主人公以外からは猫の姿に見えるようになってしまったJKとの同居ラブコメ。と言ってもラブコメ未満だし、猫に見えるという設定が細かいことは気にすんな状態なのが不満が残る。ハートウォーミングなラストは良かったが。2024/08/08
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