出版社内容情報
貝塚 爽平[カイヅカ ソウヘイ]
著・文・その他
内容説明
地殻変動(巨大地震で、地表面は数メートル移動)、氷期と間氷期の海水面変化(一〇〇メートル以上)、火山灰の堆積(数メートル以上)、河川による砂礫の堆積…。一〇〇万年超の東京の形成過程と江戸以来の開発による地形変化を解明。過密集住の東京を脅かす様々な災害。散歩ガイド・災害マップとして、必携の地形学による東京史。
目次
1 東京の自然
2 武蔵野台地の土地と水
3 氷河時代の東京
4 下町低地の土地と災害
5 東京湾の生いたち
6 むすび―過去の東京から未来の東京へ
著者等紹介
貝塚爽平[カイズカソウヘイ]
1926~1998年。東京大学理学部地理学科卒業、同大学院特別研究生前期修了。東京都立大学教授を経て、東京都立大学名誉教授。専門は地形学。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
41
武蔵野台地のところを熟読し、学習に役立てたい。2015/10/29
kk
22
東京の地形・地層の概要や成り立ちを詳述。地盤沈下など、人間生活の土地への影響とその問題点などについてもたっぷり言及。一般向けに書かれたとはいうものの、けっこう骨のある一冊。ブラタモリ的な興味から手に取ってみたものの、読むのはけっこうたいへんでした。が、勉強になったことは確か。折に触れて、ところどころ読み返してみたいと思います。2022/10/18
bapaksejahtera
17
原著は高度成長期に著され古いが、東京の都市問題に警鐘を鳴らす指摘は今日もなお有効である。対象地域は広いから各地域の位置関係は判り易くないが、洪積世から沖積世或いは石器時代から縄文弥生及び歴史時代にかけて関東平野の変化は他の地域と比べても大きい。度重なる海進海退、古富士山噴火による降灰と火山流、大地震を伴う地殻変動、更にはわが国最大級のガス田を含む地下水の汲上げなどがその原因だ。下町0メートル地帯は当然ながら、科学的常識の忘失で安易な開発と密集が進む多摩川流域等西部も危険が多い。気を引き締めて名著を読んだ。2021/12/29
やま
14
なんと面白い本なんだろう。崖線、火山、ローム、盆地構造、沖積世と洪積世、大地構造、地震、地盤沈下、東京湾のでき方、武蔵野台地など、どうやってできているのか、地下はどのような構造になっているのか、地下水について、ガス田についてなど、詳しく説明されている。しかも、多摩川沿い、江東区、山の手など知っている土地の話が出てくるので、イメージが付きやすい。◇第一版は1964年、つまり東京オリンピックの年に出版され、増補版が1979年、それから30年たって文庫として出版されている。内容を見ても全く古くない。→2023/03/03
たばかる
12
徹底した地理書。武蔵野台地周辺から東部まで話は広がる。流石に土地勘がないと読み進めるのに飽きる。霜の融解による地層の流動で傾斜の度合いが南北に異なる説だけは印象に残った。2019/06/13