内容説明
定年間近のOL、認知症の兄を抱える高齢者三兄弟、余命僅かな天才シェフ――終活サロン・満風会には今日も「死」を意識した人々がやってくる。そんな彼らにアドバイザーの三崎が渡したものとは……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
楽駿@新潮部
28
読書会仲間本。そろそろ、早めに終活を考えなければいけない時期なのかもしれない。けれどこの本は、終活と言うよりも、その人生の時期に応じて、自分の生き方の見直しをすることの大切さを説いているように思う。20代であっても、30代であっても、就職や結婚、出産のタイミングで、それまでの生き方や、お金の使い方ではやっていかれない時期が来る。その都度見直しは必要。自分を振り返っても、入院した時、結婚した時、家を購入した時、会社がつぶれた時、相方が病んだ時、関西に転居した時、戻ってきた時、その都度、考え直してきた。→2025/01/12
のんちゃん
28
葬儀社千銀堂の子会社の満風会は終活アドバイスを無料で行っている。相談員三崎清を通して、この場に相談くる人々とその家族の物語。満風会が配布する終活ノートには自分史を記す箇所があり、それを記す事により自分の人生を折々で見直す事が必要と清は説く。私の目の病はご報告済みだが、実は今年、夫も大病を患い約半年の入院を余儀なくされた。これからのお金と時間の使い方の見直しを説く清の言葉に大いに頷く。遺言書、相続、お墓問題も話の中に組み込まれ勉強になった。人生の終わりは誰も前もって知る事はできない。時々の見直しは必要だ。2024/12/21
ベローチェのひととき
14
妻から廻ってきた本。5編からなる連作短編集。定年間近の女性会社員、長兄が認知症になった高齢の3兄弟、余命僅かなまだ若い天才シェフなどが各編の主役となっている。それぞれ、ここまで生きてくる間には色々なことを経験している。終活というのは自分の人生を閉じるための準備ではあるが、それ以上に現在の自分と昔描いていた未来との違いを認識し、現在の自分の人生を見つめ直すことであることを教えられた。2025/01/16
akiko
6
終活という言葉が一般的に広まっているけれど、実際に取り組んでいる人がどれくらいいるんだろう?人生は計画通りにはいかないものだと思っている私。計画を立てて、見直しもしていく、確かに不安は減るんだろう。真剣に考えるべき内容だけど気軽に読めた。桂望実さんの小説は久しぶりでした。2025/07/18
りょう
6
終活って言うと、お葬式とか遺産とか、せいぜいが末期医療っていう印象だけど、これからの人生の見直しを適宜していく、と考えるといつでも必要で大切に思える。そんな庶民のあれこれが、楽しく納得的に描かれています。2024/10/04




