中公文庫<br> やさしい猫

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中公文庫
やさしい猫

  • 著者名:中島京子【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2024/07発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122075399

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内容説明

家族三人で暮らしたい、
ただそれだけの望みを叶えるのが
こんなに難しいなんて

シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いて、すったもんだはありつつも、穏やかな日々が続くはずだったのに……。

出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。
そんな小さな幸せが突然奪われたのは、
クマさんがスリランカ出身の外国人だったから。

〈ハラハラしてます〉〈ラストがよかった〉〈知らないって恐ろしい〉
読売新聞連載中から反響続々
中島京子の長編小説最新刊

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

47
第56回吉川英治文学賞受賞作。面白かったです。出入国と関わる家族の物語。様々な例があると思いますが、どれだけ困難かと教えられたような気がします。一緒に暮らしたいという願い。ただそれだけなのに厳しい現実があるのですね。あたたかい語りだからこそ余計に刺さりました。重いテーマでしたが、引き込まれます。2024/12/28

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

21
入管に収容されている不法滞在者が亡くなった時に話題になっていた作品。「不法」に滞在しているとされた「外国人」の不条理とも言える扱いについて。我が国は何を守っているのか全然わからなかった。(我が国のわからなさは今に始まった事じゃないけどね)。この酷い扱いについては割と知ってた事ばかりなので少し退屈したが、少女目線でもあり中高生には是非読んで欲しい作品だと思った。誰もが得しない複雑で不気味で虐めとしか思えない我が国の頭の悪いシステムだ。2024/12/29

majimakira

19
涙した小説は数多くあれど、公の場で幾度も嗚咽の声を必死に堪えたものは初めて。それぐらい、今後も強く心に刻まれるであろう作品。出入国在留管理や関連法令のこと、そこにおける正しいことやつらい現実など、あまりの無知にハッとさせられながら、ひとつの小さな家族が、大きな意味のある幸せに手を伸ばそうとする物語を追う緊張感。語り手のマヤの、その相手が見えるラストは、著者による素敵な構成と、作中の数多くの感動の集大成で胸がいっぱいになり、涙腺決壊。余談だが、自分の名前もアキラで、最後に嬉しくなる事実を教えていただいた。2024/10/05

いっちゃん

18
単行本を読んだから再読。やっぱりいいお話。解説のほんまさんが書いてらっしゃるように、この小説が興味の糸口になると思う。他人事にしたくない、って思える。つらいつらい思いをして、たどり着いた先で、こんなひどい扱いを受けるなんて。日本人としてとても恥ずかしい。1人でも多くの人が読んでくれたらいいと思う。2024/10/23

おでんのたまご

14
クマさんとみゆきさん、マヤちゃんの関係と絆が本当に素敵だし、裁判の証人での発言にうるうるきた。しかし同時に情に訴える裁判のやり方にモヤモヤするな…。クマさんみたいに”いい人”なら居ていいよみたいな、ほんとの愛とか絆を裁判所でジャッジしてることに薄寒いものを感じる。外国人にだって捻くれてたり意地悪な人はいるだろうし(ハヤトみたいな苦労を昔からしていたら私なら絶対捻くれてるわ!)、でもそんな人なら理不尽な目にあってもいいとはならないし。私は毎朝チャイを飲むんだけど、今度は練乳入れてみようかな!2025/03/03

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