内容説明
家族三人で暮らしたい、
ただそれだけの望みを叶えるのが
こんなに難しいなんて
シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いて、すったもんだはありつつも、穏やかな日々が続くはずだったのに……。
出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。
そんな小さな幸せが突然奪われたのは、
クマさんがスリランカ出身の外国人だったから。
〈ハラハラしてます〉〈ラストがよかった〉〈知らないって恐ろしい〉
読売新聞連載中から反響続々
中島京子の長編小説最新刊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
48
第56回吉川英治文学賞受賞作。面白かったです。出入国と関わる家族の物語。様々な例があると思いますが、どれだけ困難かと教えられたような気がします。一緒に暮らしたいという願い。ただそれだけなのに厳しい現実があるのですね。あたたかい語りだからこそ余計に刺さりました。重いテーマでしたが、引き込まれます。2024/12/28
けぴ
47
小説を読む楽しみはストーリーの面白さもあるが未知の世界を知ることにもある。シングルマザーの保育士ミユキさんが好きになったのは八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも懐いて家族になるはずが…。失業したスリランカ人のクマさんは結婚前に仕事を探すがオーバーステイに。強制送還されるか結婚を認めてもらえるかの裁判シーンはハラハラドキドキの連続。良い人、悪い人に人種は関係ない、そんなあたり前のことを諭す快作。本作が2022年本屋大賞の候補にも挙がっていないのは何故⁈ 関連本として佐々涼子さんの『ボーダー』もお薦め。2026/01/20
マッピー
30
読み初めには想像もしなかった、圧巻の読みごたえ。けれども少女の視点で語られる口調は、読者を決して拒むものではない。小4のマヤはお母さんと二人暮らし。ある時お母さんが連れてきた恋人のクマさんは、スリランカ人。ようやく二人が結婚しようとしたとき、クマさんが逮捕された。クマさんを家族に取り戻すために、ミユキさんとマヤの長く苦しい戦いが始まる。いろんな、胸が苦しくなるようなエピソードがたくさんある。知らないということは弱者が生きていくためには大変不利である。目からうろこと涙をぼたぼたこぼしながら読んだ。2025/11/04
つんどくちゃん
23
マヤちゃんがやさしく語りかけるかたちをとってくれていたからこそ、最後まで読めました。そうじゃなかったら、理不尽でつらすぎて途中でやめてしまったかも。入管でのインタビューのシーンとか、ほんとに怖かったです。 語りかけている相手がその答えになっているのですが、お母さんとクマさんに救いがある終わり方だったのはほっとしました。でも現実のことを考えると、この硬直した制度が抑止力になってる部分もあるのかな、と複雑な気持ちにもなります。家族の物語としても読めるし、問題提起としてもすごい作品だったと思います。2025/09/15
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
22
入管に収容されている不法滞在者が亡くなった時に話題になっていた作品。「不法」に滞在しているとされた「外国人」の不条理とも言える扱いについて。我が国は何を守っているのか全然わからなかった。(我が国のわからなさは今に始まった事じゃないけどね)。この酷い扱いについては割と知ってた事ばかりなので少し退屈したが、少女目線でもあり中高生には是非読んで欲しい作品だと思った。誰もが得しない複雑で不気味で虐めとしか思えない我が国の頭の悪いシステムだ。2024/12/29
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