身体がますますわからなくなる

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身体がますますわからなくなる

  • 著者名:小鷹研理
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 大和書房(2024/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784479394341

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内容説明

「からだの錯覚」の研究者が、からだの不確かさや思い通りにいかなさに考えを巡らせる科学人文エッセイ!

知的好奇心を揺さぶる数々のからだの錯覚実験を紹介しつつ、「からだとは何か、脳とは何か」という人文的考察を深めていく。
知らなかった、意識していなかった「自分のからだ」のおもしろさが次々と襲いかかりるエキサイティングな研究と考察。
「一冊読めばからだのことがよくわかる」と思っていたら、「なんだかますます分からなくなってきた」という不思議な読後感を味わえます。



【 目 次 】

▼第1章 どうしても思い出せない左手のこと
両腕を奪われたディフェンダー
髭にまとわりつくこの左手について
闇に葬られたエイリアンの行動記録
右の頬を打たれたら左の頬を差し出さずにはいられない
外向的な右手と内向的な左手
顔触を奪われることで奪われるもの

▼第2章 誕生日が1日ズレた自分を想像する
奇数が好きですか、偶数が好きですか
ブーバとキキの運動学
偶数と奇数を踏みつけてみたならば
ブーバ世界のカフェで賑わう4人の女性たち
自己愛をあたりかまわず転写するバースデーナンバー
誕生日をずらすことによるきもちわるさ
奇数が好きになる誕生日、偶数が好きになる誕生日
数字から豊潤な連想世界が広がる女性たち
歴史上、ただの一度しか許されない実験

▼第3章 20秒間でシャッターを1回だけ押す
生きているものたちのリズム、しなやかなメトロノーム
初めての実験、窮屈に押し込められたシャッターの音塊
好きにボタンを押してください、とはいうけれど
集団を使って緊張を突破しようとする者たち
授業の外に飛び出した集団フリーシャッター実験
集団心理は本当にシャッターチャンスを高めているのか?
自由意志はキリのよい時間に現れる
今日、私は◯◯くんに告白をする

▼第4章 半地下のラバーファミリー錯覚
(第0節 序)
現実と虚構を同一の地平で編み直す
(第1節 建築物が「家」になるまで)
身体に宿る家族的なハーモニー
(第2節 接合型パラサイトの諸相)
自分と他人の入り混じったもの
出来事の同期体験が「家族」をつくりだす
「におい」という宇宙
他人として出会い直される自分
(第3節 交換型パラサイトの諸相)
身体を収納する「一つ」の容器の潔癖
切断されたラバーファミリー錯覚の憂鬱
(第4節 不可視型パラサイト、そして約束された悲劇へ)

▼終章 ーーー会ったことのない同居人(半自己特論)
神経の通っていない自分、としての他人
物語を持たない人間の倫理
未開の皮膚、未開の骨、頻発する「ビッグバン」
デッドライン

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hakootoko

7
著者の研究対象は、認知的な自己の再組織化とまとめればいいだろうか。たとえば、身体が外部のモノまで延長したように感じる錯覚を取り扱っている。研究内容も面白いけど、書きぶりも面白かった。喩えとして、映画『パラサイト』が出てくるが、喩えというよりどっちかというともはや、映画の批評だった。ここから、(科学であるからには実験に立脚しているが)非常に抽象的な水準の視点を持っていることが伺い知れないだろうか。著者は哲学は苦手とのことだが、大陸系の哲学が好きな人は読むと面白いと思う。非常に平易で楽しく読める。2024/12/10

どみとる

5
奇数=孤独、偶数=調和的という印象を抱くのは何も割り切れる/ないといった数学的な機能だけから来るのではなくて、数字の比較的形状、7と書くときの直線的な筆の運び、8と記すときに付随する摩擦音のリズム、そういう総体でイメージが出来上がっているのだという。それを踏まえて奇数と偶数どっちが好きかと統計を取ると、やはりというか女性は圧倒的に偶数好き(和を重視する)。結果を知る前から奇数と即答した自分にとっては「他人の期待に沿わないことそのものが強烈な美徳」という著者の一文にこそこの本を読む価値が詰まっていた。2025/07/08

renren

3
自分の中にいる、知らない自分のはなし。著者は主に身体感覚と自己(身体所有感、感覚など)を研究しているのかと思いきや、集団的自己(周囲に影響される)や数字と性格の関係など、幅広く「自己、自己認識」をやっているんだね。奇数=孤高/偶数=調和の印象仮説から、誕生日と性格の関係、奇数偶数を好む男女比の話など、実験結果がなければ偏見かと思うような「嘘のような本当の話」が一番面白かった。2025/01/20

AKN

1
奇数が変わり者、偶数が一般的。右手が左手の暴走をおさえる病気の話。パラサイトを使った半自己の話など興味深い。2024/12/12

あーりーばーど

0
私は奇数月、奇数日生まれ、天邪鬼で奇数好き。無意識的自己愛に導かれていたのか。好きな野球選手の背番号は、王"1"、長嶋"3"、掛布"31"、清原"3", "5"、そして大谷"17"。2024/11/01

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