岩波新書<br> 記憶の深層 - 〈ひらめき〉はどこから来るのか

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岩波新書
記憶の深層 - 〈ひらめき〉はどこから来るのか

  • 著者名:高橋雅延
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 岩波書店(2024/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320258

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内容説明

試験前の一夜漬け.苦労して覚えても,終わればすぐに忘れてしまう.もっと効果的で効率的な学習方法はないのか.鍵は「記憶」にある.記憶のしくみを深く知り,上手に活かせば答えはひらめく.記憶のアウトソーシングが加速するAI時代.人間の創造性が問われる今こそ必要な,科学的エビデンスにもとづく記憶法のヒントを伝授する.

目次

はじめに
記憶がいらなくなる時代
記憶は創造性の基礎
歳をとっても記憶力は伸びる?
マイナスの思い込みを捨てる
記憶の深みへ
第1章 意味づけの効用
1 人間は意味を求めてしまう
インクのシミに意味を見いだす
図形の動きにも意味を感じる
2 意味と記憶の関係
意味があると覚えやすい?
意味のないものは記憶しにくい
意味のあるものは記憶しやすい
3 知識がなければ理解はできない
「理解する」とはどういうことか?
どんな知識が理解を促進する?
ネクタイを買ったのはどんな男か?
知識で関係を補う
4 記憶を確実にする
良い記憶の秘訣
塗装用ロボットの話
記憶は技術である
第2章 注意の落とし穴
1 見えているのに気づかない
ホームズの観察力
気づかないゴリラ
見ていないのに禁固刑?
熟練者でも気づかない
「追い出し」のはたらき
2 ワーキングメモリ
記憶の範囲
記憶を上書きする
ワーキングメモリは学びの入口
3 マルチタスクの功罪
集中できない!
集中,中断,集中,中断,
完成欲求が尾を引く
4 不安の棚卸し
ステレオタイプの裏づけ
マインドレスからの脱却
第3章 イメージ記憶術
1 イメージを活用する
記憶範囲を超える
「限界は自分がつくる」
2 百聞は一見にしかず
絵や写真は記憶に残る
顔の記憶
3 イメージへの変換
関連づけの原則
驚異の超記憶力者
イメージ記憶は万能ではない
4 知識を構造化する
意味づけと関連づけのテクニック
思い出す手がかりをつくる
卓越記憶力者VPの連想活用術
連想の強力な引き出し効果
自分で「考える」ということ
第4章 記憶に根づかせる
1 効果的な復習方法
一万時間ルール
長くやればよいわけではない
アウトプットを重視する
インプットを分散させる
2 アウトプット学習法
私の「×印式勉強法」
アウトプットの有効性
テストを練習に変える
なぜアウトプットがよいのか
3 スムーズさのわな
スムーズさの感覚
覚えた気にさせるもの
J.S.ミルのアウトプット学習
第5章 連想の力
1 無意識の記憶
忘却のパラドックス
忘却曲線はゼロにならない
覚えていないのに覚えている?
2 記憶の引き出し方
思い出す手がかり
連想が記憶を引き出す
連想は自動的に広がる
意識の控えの間
3 ひらめきは無意識の底から
創造的発見への四段階
ひらめきがやってくるとき
集中するとひらめかない
創造性の本質
人生の経験が連想を生みだす
おわりに
記憶のアウトソーシングで失うもの
楽しむことが唯一の道
仕事の道程を楽しむ
おもな参考文献
本書で紹介しているおもな研究

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

109
Audibleにて。この手の本は私にとってはやはりリアル本に限ります。忘れっぽい私は本書を聴いて今、1週間。9割5分程忘れています。不甲斐ない!リアル本だと本を読みつつ付箋を付けて読了後1〜3日置いてからノートに見開きで手書きで書いてその後にここに感想を書くのです。1ヶ月後には本書を読んだことすら忘れてしまうかもです。ザックリとは記憶に留めやすくするには知識を構造化することと、イメージ化することだったかなぁ?短期記憶は直ぐ忘れてしまうので大事な事は繰り返し学び、イメージを添付し長期記憶に移行…?ダメだぁ〜2025/03/24

けんとまん1007

71
読み始めて数頁経った頃から、読むのが楽しくて、グイグイ惹きこまれた。記憶の仕組みは、とても興味深い。意味付けをすること、何かに例えることなど、なるほどなあ~。人は、自分が経験したことからしか、アイデアは生み出せないと思っているし、それを裏付けることができた思いがする。その経験も、実体験を基本として考えている。バーチャルの意味もあるだろうが、どこかで行き詰るのではと思う。繰り返しの効用も、やり方次第。やはり、何がしかの形でアウトプットすることがいいんだなあ~と、再認識した。2024/12/17

TS10

26
記憶にまつわる心理学の知見を紹介する。記憶の定着におけるアウトプットの重要性など、既知の内容も多かったが、豊富な実験結果を基にそれらの理解を深めてくれる。知識は記憶される際に、論理的因果関係かカテゴリ分類、連想のいずれかの形をとるとし、本書は連想の効能を強調する。蓋し最も感情的で原始的な記憶方法である連想は、既存の論理にとらわれないからこそ、創造性の源とされるのだろう。他にも、アウトプットが効果的なのは、感情的なコミットが強いからと説明されていたりと、改めて感情の重要性に気付かされた読後感だ。2024/08/23

templecity

18
AIで何でも調べられる現代において、記憶することの重要性が薄れるように思わるが、そうではなくて、色々な創造をするにも様々な知識を身に付けることは重要。そういう中で記憶をするには、それぞれの意味を考えて結びつけることが記憶定着に役立つ。また一旦覚えて、暫く時間をおいて復習することで、覚えだすためにストーリーを考えて記憶が定着する。短時間にやっても単純作業として定着しない。 2024/12/21

武井 康則

12
脳科学でなく、心理学で種々の実験結果を元に記憶、思考についての効果を説明する。教授として学習、成績が眼目だから学生向きかもしれない。意味がなければ覚えられない。インプットよりアウトプットが大事等、今すぐ使える学習法が満載。つまらない記憶術より覿面だろう。実験方法、結果がまだるっこしい。簡略に書いて効果を述べ、実験の詳細は小さい字で片隅に書いておけばいい。余ったスペースにはイラストを入れてジュニア新書にすればいいのに。2024/09/15

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