内容説明
■「失われた30年」という常套句とは裏腹に、日本はポピュリズムの波にも呑まれず、国際的には「インド太平洋」構想をリードし、連携のダイナミクスを通じてより重大な役割を担う存在として地位を高めるに至っている。なぜ、このようなことが可能になったのか。
■外国人労働者問題に象徴される「開国」、小泉政権・安倍政権・岸田政権のマクロ政策や労働市場改革、農業改革などの経済面での変革、選挙制度改革、官邸機能の強化、ポピュリズムに蝕まれない民主制など国内政治の変化と特質、企業によるグローバル・サプライチェーンの構築。および、TPP協定での主導性の発揮をはじめ、中国の台頭に応じた地経学・地政学戦略の展開。そして、日本の復元力(レジリエンス)、社会的な安定性、変化に対応する柔軟性――。本書はバブル崩壊以降、現在に至る日本の変貌を変化と適応のストーリーとして描き出す。
■日本の政治経済における変化をビビッドに捉え、日本が展開するステートクラフト、新たなリーダーシップの背景と意義を明らかにするとともに、人口減少、格差問題、中国・韓国との関係など、切迫する国内外の課題も示す。
目次
日本語版序文
序 章 停滞を語る声に背を向けて
第1部 グローバル化
第1章 経済グローバル化の中での安定
第2章 日本の外国人労働者
第2部 経 済
第3章 「失われた三〇年」の失敗、そして成功
第4章 アベノミクスの登場
第5章 日本再興への道
第3部 政 治
第6章 日本の政治における変化と継続性
第7章 ポピュリズム時代における日本の民主主義
第4部 地経学
第8章 ルールにもとづく秩序における連結性主導者としての日本
第9章 日本のエコノミック・ステートクラフトの明瞭な強み
第5部 地政学
第10章 安全保障の役割をどう担うか、深まる苦悩
第11章 より有能な日本
第12章 「万人の万人に対する闘争」が広がる世界で、その手綱をとれるか
終 章 分断した世界におけるネットワークパワーとして
謝 辞
原 注
索 引
感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
バルジ
Ttyhys