集英社新書<br> 贖罪 殺人は償えるのか

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集英社新書
贖罪 殺人は償えるのか

  • 著者名:藤井誠二【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 集英社(2024/07発売)
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  • ISBN:9784087213256

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内容説明

少年犯罪を取材してきたノンフィクションライターの著者のもとへ、ある日、水原紘心(仮名)という見知らぬ名前の人物から手紙が届いた。それは何の罪もない人の命を奪った長期受刑者からの手紙だった。水原は著者との文通を通して己の罪と向き合い、問いを投げかける。「償い」「謝罪」「反省」「更生」「贖罪」――。加害者には国家から受ける罰とは別に、それ以上に大切で行わなければならないことがあるのではないか。著者の応答からは、現在の裁判・法制度の問題点も浮かび上がる。さまざまな矛盾と答えのない問いの狭間で、本書は「贖罪」をめぐって二人が考え続けた記録である。

目次

はじめに 加害者からの手紙
第一章 獣
第二章 祈り
第三章 夢
第四章 償い
第五章 贖罪
おわりに 受刑者に被害者や被害者遺族の声を交わらせるということ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

読特

44
見知らぬ人物からの手紙。長期受刑者から。塀の中で過ごし、官本を読み考えている。投げかけられた問い。贖罪は可能か?…もしも、被害者遺族になったなら。得体の知れない殺人者。恐怖が先立つ。手紙もお金も受け取れない。関わりを持ちたくない。とはいえ、加害者が安穏と暮らしているのは許せない。…過失、魔が差した。もしも、偶然にも人を殺めてしまったなら。永遠に拭えぬ罪。笑うことさえ赦されない。…人を殺す事件が起きない社会を創る。それが、これまで起きた多くの事件の被害者への贖罪なのかもしれない。それは全ての人に課せられる。2024/09/02

ミエル

29
長期受刑中の加害者との文通による交流をまとめた贖罪、更生についてのルポルタージュ。内容は大変興味深いのだが、いかんせん長すぎる。もちろん丁寧な取材内容を取りこぼさずに扱いたいという著者の誠意は理解できるけれど、読み物としての構成は微妙。そもそも本作に登場した受刑者は真剣に贖罪について考える少数派であり、大変珍しいタイプ。内省を続け、被害者遺族からの拒絶も現実として受け止める姿や、所内の矯正プログラムについての矛盾点についても言及していた点が頼もしく感じた。とは言え、大多数の受刑者は犯した罪を熟慮しない。2025/02/24

よしじ乃輔

13
ノンフィクションライターと殺人による長期服役中の受刑者との交換書簡から贖罪とは何かを問い続ける記録。反省の思考が無い服役囚の話は美達大和氏も書かれていたと記憶する。こうして深く問い続ける姿は本当に少ないように思う。後悔しても謝罪しても被害者又は遺族が受け入れるか。この点にしか答えはなく、正解もまたない。加害者、被害者共に問い続けるのではないでしょうか。2024/09/23

Kay

9
刑務所に服役中の長期刑受刑者・水原絋心(仮名)と著者との5年以上にわたる文通記録をベースにして書かれている。10代の頃から非行ばかりを繰り返し、最終的には殺人犯となった水原だが、まずは十数年の刑務所生活でここまで豊かな語彙(表現)を習得できた事に驚かされる。次に「刑期をつとめ上げる=被害者への償いではない(単純に国が定めた罰である)」と改めて気づく。「贖罪」に正解は無いと感じるが、刑務所と違い自由と偏見がはびこる社会で、出所後は慎ましやかに生き、真面目に働いて納税する事も贖罪の一片となるように思う。2024/09/02

チェアー

9
「償う」とはどういうことかを改めて考えた。加害が何をしようと、償いとは認めたくないだろう。 更生は自分が立ち直ること。被害とは関係がない。むしろ被害は「更生なんかさせてたまるか」と思うのが普通ではないか。 償いという蜃気楼のようなものを追求して生きることが償うことに少し近づくことなのか。 2024/08/20

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