何かが空を飛んでいる

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何かが空を飛んでいる

  • 著者名:稲生平太郎【著】
  • 価格 ¥2,816(本体¥2,560)
  • 国書刊行会(2024/07発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784336057778

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内容説明

UFO現象や神秘体験を明快に論じた奇跡的名著がついに復刊! あわせて西洋近代オカルティズム略史、ジョン・ディーの精霊召喚、ナチズムとオカルト、柳田國男・南方熊楠の山人論争など、他界に魅せられし人々の、影の水脈をたどるオカルティズム・民俗学エッセイ・評論を一挙集成。

自序

第一部 何かが空を飛んでいる
 
まえがき
1 私は前科者である
2 踊る一寸法師
3 小人たちがこわいので
4 虐げられた人々
5 セックスと針とフライング・ソーサー
6 私を涅槃に連れてって
7 空飛ぶレイシズム
8 妄執の格納庫18
9 陰謀の泉
10 キャデラックの中の三人男
11 黒い哄笑
12 空を飛んでいるのは何か?
13 光に目が眩んで
あとがき
附録 泥の海――あるいは円盤文献瞥見

  *

「純」円盤映画を求めて
不思議なセルロイド――怪奇幻想映画オールナイト全五夜

第二部 影の水脈
 
影の水脈――西洋近代オカルティズム略史
シオンの顕現――アーサー・マッケンと〈オカルト〉
天の影――チャールズ・ウィリアムズの場合
想像力という「呪い」――シャーロット・ブロンテ「ヴィレット」
異界の言葉――テオドール・フルールノワ「インドから火星へ」 
地底への旅――カフトン=ミンケル「地下世界」
ログフォゴあるいは『岩の書』――リチャード・シェイヴァーについてのノート
水晶の中の幻影――ジョン・ディーの精霊召喚作業
物語としての同祖論の《起源》
妄想の時空――木村鷹太郎とウィリアム・カミング・ボーモント
獣人と神人の混淆――アドルフ・ランツとフェルキッシュ・オカルティズム
ヒトラー、ナチズム、オカルティズム

第三部 他界に魅せられし人々

他界に魅せられし人々―― 『妖精の誘惑』のためのノート
夢と光り物――アナ・キングズフォード、佐々木喜善、泉鏡花
「心界幽玄」のこと――南方熊楠とフレデリック・マイアーズ
先住異民族の「残存」――南方熊楠、柳田國男の山人論争における隠された文脈
牛涎的博士――坪井正五郎をめぐって
家に憑く――『四谷雑談』
平田翁の「夏休み」――『稲生物怪録』をめぐって

後記
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

102
面白い。何かが空を飛んでいることは何も今に始まったことではなく19世紀にもばんばん目撃されている。現在ではUFOとなるようなケースを妖精や火の玉と時代に則した表現をしていて何かを見るとは人間の心理なのである。本書ではオカルトを賛でもなく否でもない客観的な視点から事実を述べていて、9割は嘘だが1割は説明できないとのことである。この1割で十分である。2016/04/08

HANA

48
滅茶苦茶面白い。冒頭はUFOに関するあれこれを様々な観点から分析したもの。科学的に解明できる……と油断していたら、その背後から不可解なものが顔を覗かせるのが最高。後半は著者のオカルト論集。神智学やマッケン、シャーロッテ・ブロンテ等の文豪、そしてナチスとのオカルトの関わり合い、個人的にはどれを読んでもひたすらに興味深いテーマばかり。そして柳田国男、南方熊楠等民俗学者の異界への興味と英国の知識の関わり合い。坪井正五郎の面白さや稲生物怪録と兎に角濃い内容でした。こっちはひたすら知識量に圧倒されるだけだったけど。2014/02/26

へくとぱすかる

31
かつて、絶版となった元版を図書館で借りて読んだが、この復刻版では、その他の関連する文章まで合わせて、元版の3倍にもなっている。全体を通して、人間の想像力あるいは妄想力が論じられているわけだが、おもしろさを感じるのは、やはり第一部の「何かが空を飛んでいる」。UFOについての著者の立場を明らかにしている。第2部以後と全く異なるポップな文体には驚く。さて文章の末尾に、と学会本とよく似た表現があったり、日本の歴史に奇異な足跡を残した研究家について、その発想の根拠を示すなど、なかなか楽しめる本。2014/08/08

キキハル

23
長らく読みたかった本をようやく読了。とても面白く興味深く読んだ。第一部の円盤と小人に始まり、二部ではオカルトやマッケンや精霊日記を通り、三部では異界を紐解き民俗学や稲生物怪録まで。縦横無尽に語りつくした評論集だ。これがいたって真面目だが堅苦しくなく愉しい。文献の引用や資料も豊富でブックガイドとしても活用できる。おかげで読みたい本が目白押しで増えてしまった。こういう本は時間をかけて舐めるように読みたいものだ。だが、ユニークな表紙のこの本の価値を、悲しいかな家族は誰も分かってくれない。興味持てば面白いのにな。2014/03/11

くさてる

17
かの大槻ケンジが一時UFOにハマってしまったきっかけの一つがこの本であったと記憶しているのだけど、それも納得の面白さです。空を飛んでいる何かに魅了され、振り回され、そこに「なにか」を見てしまう人間の心理を豊富な資料を基に軽妙な語り口で解説していくうちに、人間が潜在的に抱える現実と非現実の隙間やこの世にないものを想像する力というものにまで考察が進んでいくさまはとてもスリリングで興味深かったです。圧倒されました。2015/03/28

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