徳間文庫 南アルプス山岳救助隊Ｋ－９ 紅い垂壁

著者名：樋口明雄【著】

徳間書店（2024/07発売）

• ISBN：9784198949549

内容説明

大藪春彦賞作家の好評山岳ミステリーシリーズ最新刊

切れたザイルは何を語る？
超難関ルートで起きた滑落事故。
山岳救助隊員と救助犬のバディが隠された真相に迫る！

谷川岳一ノ倉沢。魔の山と呼ばれる超難関ルートで二人の登山者が
登攀中に滑落、一名が死亡。
救助された川越は、死亡したバディの田村が自分でザイルを切ったと証言、
事故として処理された。
しかし目撃者がいた。一ノ倉沢の観光地から双眼鏡で一部始終を見ていた
その男は川越を脅迫する。
さらに兄の死に納得がいかない田村の妹・透子も川越の動向を探り始める。
一方、南アルプス山岳救助隊では新人研修が行われていた。
候補生の桐原健也は抜群の体力で、いままで残った者のいない厳しい訓練をこなす。
だが協調性のない彼の言動に隊員たちは戸惑い……。
【文庫書下し】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[タイ子]

会社の同僚・田村と川越は山で登攀中にザイルが切れ田村は滑落。生き残った川越は田村が自分でザイルを切り犠牲になったと証言。しかし、その現場をたまたまカメラに収めていた元同僚から脅迫される羽目に。一方、北岳では1人の少年が母親に置き去りにされているのを夏実が発見。母親は前科者の男と共に勝手に行動しているらしく行方がわからない。東京で脅迫されていた川越は殺人を犯して婚約者と共に北岳に登る。北岳に集結した極悪人たちと山岳救助隊の決死の攻防戦が始まる。いつ読んでもワクワクする作品。ラストの不穏さが続編を期待させる。

2024/07/14

[ゆみねこ]

クライミングの滑落事故で宙吊りになり、自分の命を守るためにザイルを切ってバディを転落死させた川越。その事故現場を偶然に撮影し川越を脅迫する元同僚。この事件は夏実たちのいる北岳へと舞台を移す。母親に置き去りにされた少年、その母親と恋人の遭難に対処するＫ-9メンバーたち。今作では風変わりな新人・桐原も加わる。夏実たちの大ピンチを救うシーンは胸が熱くなる。ラストが不穏な感じで次作はどう展開するのか？相変わらず犬たちが可愛い！

2024/08/15

[goro＠the_booby]

美しい山の北岳に事故に事件も重なって夏実とメイの活躍もあり楽しめる一冊。静奈姐さんシーンは待ってましたでしょ。まぁもっと強い奴と張り合いたかったけど。ドライな新人も見どころありです。徳間、ハルキ、新潮、山渓と出版社横断の人気シリーズで今度は光文社からも既に出てるし嬉しい限りです。

2024/08/14

[ポチ]

山岳救助隊に超個性的な新人が入り、どうなるのか心配でしたが、この物語が終わる頃には馴染んで来ましたね。夏美と静奈の危機に心拍数が上がりました。ラストの不穏な流れが気になりますね。

2024/08/03

[み]

究極の選択に近いかも、線路スイッチすると…と同じ匂いが。最後のシーンは、次の禍の布石なのか？？？今作は、メイちゃんもバロンさんも要所を押さえてたような。四足くんの登場回数で満足度が上がります(^_-)-☆

2024/09/10