講談社＋α新書 政権変容論

著者名：橋下徹【著】

講談社（2024/07発売）

• ISBN：9784065366851

内容説明

【橋下徹からのメッセージ】
政権「変容」？　なんだそのワードは？　と思われるでしょう。
それもそのはず、これは僕がつくった造語です。
普通は政権「交代」というワードを使います。
野党政治家は政権「交代」を目標にし、加えて現政権に批判的なメディア・評論家や学者たちも
口を開けば政権「交代」の必要性を説きます。
しかし、国民は本当に、政権「交代」を心底求めているのでしょうか？
漠然と政治が変わってほしいと思っているものの、自民党に政権を完全に去ってもらって、
今の野党に政権を担ってもらいたいとまで思っているのか。
ここが本書における、僕の問題意識の核心です。

【本書の内容】
３つの衆院補選と静岡県知事選で自民党が惨敗し、立憲民主党が形の上では勝利した。
それをもって「政権交代近し！」と色めきだつメディアや評論家もある。
しかし、日本の政治をめぐる状況は、はそんな単純なものだろうか？
自民党の敗北は自滅であって、野党がみずからの力で勝利したとは言いがたい。
「政権交代」の風は本当に吹いているのか？
そうとは言えないことを、直近の都知事選の情勢が証明しているのではないか。

「だからこそ、交代ではなく変容だ」
橋下徹はそう主張する。
今の自民党政権には嫌気がさしているけれども、
だからといって野党に政権を託すまでは考えていない。
これが国民の感覚ではないのか。
現政権がそのまま維持されることは嫌だが、交代までは求めていない。
国民が漠然と望んでいるものの正体を、橋下は本書で「政権変容」と名付ける。

〈自公政権は「変容」すべきだが、交代までは求めていない。
では、どのような「変容」を国民は望んでいるのか。
それをこれから、本書で論じていきます。
政権変容のすべての始まりは、「自公過半数割れ」が起きることです〉
ーー本書巻頭言より

「政権変容」が劇的に新しいのは、自民党がどうであろうと関係なく、
野党が腹を括って決断しさえすれば、次の総選挙で実現できるところだ。
そして「自公過半数割れ」が起きたとき、野党はどう振る舞うべきか？
どうすれば政治を大きく変えられるのか？
本書ではその道筋を緻密かつ大胆に解説している。

「政治とカネ」問題に真剣に向き合わず、
古い手法を続ける今の政治を「グレートリセット」するために、
必要なのは「政権交代」という机上の空論ではなく、
「政権変容」というリアリズムだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ゆーま]

さすが橋下さん、データから未来の予測(？)が適切に判断できているのではないかなと思います。それ故に国民のみんなが着いていけずに批判を食らったりしていたのでは無いかとも思います。政権「変容」が実現できるといいですが、今の日本社会ではほんとうに必要になってきそうです。

2025/03/11

[たぬき君]

選挙前に読んで見た。結果は自公過半数割れとなり政権変容となった。旧態依然とした政治を変えなくちゃ…

2024/11/17

[beniko]

元々政治家としての橋下徹さんは嫌いではなかったが、野党に対するご意見に共感するところが多かったし、その国の政治というものが、政治家だけでなく国民によっても作られているという視点、なぜ日本では政治に対する関心が低いのかという考察にも納得。公明党は小選挙区と比例区で重複立候補はしていないはず。ちゃんと事実を述べてほしかった。自民党についてもただ辛口なだけではなく好感が持てたが、結党以来ほぼ与党の自民党が一党のみで政権を握っていた頃と今の連立政権になった頃とを一括りに「自民党」として語るのはちょっと乱暴かと。

2024/12/28

[tossy]

政権交代ではなく、政権変容を国民が求めている。これは2024年7月に出版された本であり、10月の衆議院議員選挙の前に出された本であるが、書かれている内容は、選挙の結果を予測した内容が書かれていると感じた。個人的には、この本に書かれている政権交代よりも政権変容により、良い政策を与野党問わず実現されるような仕組みが必要だと思う。野党間予備選挙は各党の思惑もあり、実現は難しいと思うが、より良い政策実現のためには必要ではないか。国会の中で、仕組みの実現に向けた議論ができれば国民の共感も得られるのではないか。

2024/11/03

[かつお]

政権交代ではなく、政権変容。野党が①徹底して襟を正し、②地方行政で実力を示し、③新旧体制に持ち込む。そのために、野党間で予備選を実施する（≠野党統一）。

2024/08/11