内容説明
世界でも珍しい新たな火山島の出現は、島を知り地球を知る研究材料の宝庫。小笠原諸島で2013年、旧西之島沖の噴火によりできた島はどんどん大きくなり、旧西之島をのみこみ成長中であることがニュース映像などで紹介された。島ができていく過程を見られる貴重な場所として、様々な分野の研究者からも注目されている。本書では、西之島をはじめ多くの島の上陸調査も行ってきた著者が、できたての島でなくては見ることのできないこと、そこからわかる地球のダイナミズム、今後西之島はどのように変化していく可能性があるのか、などを解説する。また、西之島以外の国内外の特徴的な島について噴火や成長の過程での地質現象についても紹介する。
前半では島の誕生から成長までにどういう現象が起こっているのかを中心に、後半では島の成熟から崩壊などの過程を中心にさまざまな島の事例をあげながら話を進めていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
41
つい先日読了した田村 芳彦著『大陸の誕生 地球進化の謎を解くマグマ研究最前線』(ブルーバックス)に続く関連書。日本近辺に限らず地球環境が怪しくなっている気がするので。温暖化すると大地が緩みプレート境界の歪もタガが外れやすくなるはず。 2024/08/13
でんすけ
9
さまざまな火山の成り立ちや島や山体の現在の様子、噴火の仕方、山体崩壊の経緯など、幅広く取り扱う。カタカナ語や専門用語も多く正直読みづらい。西之島をはじめさまざまなタイプの火山を取り上げていくため、どうしても地理的な説明を飲み込むだけで手一杯になる。というか全然理解していない。噴火にもさまざまな様式があり、それはマグマの成分や粘性が大きく関わる。マグマの成分なんて考えたこともなかった。あとは水。海底か水上か、マグマがどんな経緯で海水や地下水に触れるかで、爆発や噴煙の規模も変わってくる。2024/09/02
れゆにさ
8
乱暴に言えば海底火山が爆発してマグマが吹き出て、それが固まると島になる、ということですな。ニュースにはなっていたんだろうけど、地球上のあちこちでドッカンドッカン噴火が起こっていようとは。紛れもなく、地球とは生ける惑星であることを改めて思い知る。人生80年なんて言うけど、惑星の寿命からするとこういうのはほんの一瞬でしかない。気が遠くなるような時間の流れを感じる。もう少し、図説と専門用語の解説があるとなおいいんだけど、それは別冊ニュートンの領域だな、ブルーバックスの守備範囲は、これでいい笑2025/06/14
DEE
8
噴火によって島ができることもあれば、噴火でできた島が噴火で消滅することもある。同じ火山でも溶岩の成分が変わることがある。簡単な内容ではなかったが、火山国に住んでいる以上はどんな被害が起こりうるのか知っていてもいいと思う。2024/09/22
乱読家 護る会支持!
7
著者が実際に触れた火山を中心に、海域火山で何が起きているのか、火山島はどのようにできるのか、どのように崩壊していくのかを学ぶ。 ⚫︎海域火山の噴火を人の性格で表すなら、西之島のように時間をかけて新島を作る「呑気型」。福徳岡ノ場のように短期間で新島をつくってもすぐに消滅してしまう「短気型」。フンガ火山のように新島を形成するどころか既存の島を消滅させてしまう「潡情型」。 ⚫︎火山の噴火様式を大別すると火山灰や軽石などの火山砕屑物(火砕物)を生じる爆発的噴火と、溶岩流や溶岩ドームを生じる非爆発的(溢流的)噴火。2024/11/18
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