内容説明
全生庵三世圓山牧田和尚は、大正七年全生庵並びに鐵舟居士正伝の資料として「全生庵記録抜粋」を編纂し、そのなかから特に居士の言行一班を単行本として「鐵舟居士の真面目」と題して刊行した。そののち、特に太平洋戦争後は八版にわたっていわば全生庵の私家版として制作頒布されていた。今回の企画は、山岡鐵舟没七十五年の昭和三十七年刊行されたものの改訂新版。本書は、編者牧田和尚が二十年間にわたり鐵舟の家族、知人、門人から取材した談話をもとにその生涯と言動、幕末から開国への激動のなかでの行動をドラマチックに書いたものである。文語体(和漢混交文)であるが、味わい深く読み進められる。全生庵現住職の平井正修師の刊行にあたっての解説、専門家(東洋大学講師・佐藤厚氏)による漢詩・漢文などへの新訳でより興味が深まる。「剣・禅・書」の達人――日本近代を創造した歴史的・伝説的人物を知るための記念碑的書籍といえよう。巻頭に全生庵寺宝の口絵を付す。
感想・レビュー
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Y2K☮
29
山岡鉄舟の言行。篠崎の「読書のすすめ」で衝動買い。現代語訳はありがたい。山本兼一「命もいらず名もいらず」を先に読めば、視界がよりクリアになるはず。この人の至誠と功績はもっと知られていい。いまの日本史の教科書には、江戸城無血開城の意義や成し遂げた当事者についてどう記されているのだろう。勝海舟の名を出すなとはいわない。ただ官軍の陣営へ乗り込み、西郷隆盛と話をつけたのが誰なのかは明記してほしい。禅と陽明学はやはり親和性が高そう。再来年のNHK大河は小栗上野介が主役らしいが、山岡や西郷がどう描かれるのか気になる。2025/07/19




